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最終日は剛に誘われ、伍代と剛の同級生の島崎くんと一緒に釣りに来ていた。
行くまではよかったのに、着いた途端大雨となってしまい、屋根がある場所でやむのを待つことに。
「ねぇ、今日の花火って中止かな?」
「どうだろうな、ま、すぐやむんじゃねぇの?」
「そうだよね……」
今日は待ちに待った花火大会の日でもある。
この日のために浴衣も買っていて、このあと一度帰って着替える予定だった。こんなに楽しみにしてたから一気に不安になる。
「吉川、濡れるからこっち。」
隣に立っている伍代が濡れないようにとふいに肩を抱き寄せられ、一気に距離が近づく。
横をみてしまえばすぐ近くに彼の顔があって、思わず視線が合わないように下を向いた。
あまりの近さに鼓動が早くなる。近すぎてこのどきどきが聞こえてしまいそう。
「あ、ありがとう。」
「つーか、そっち代わるわ。」
そういって自分が外側へと位置を変えてくれて。
その優しさに胸がきゅんとする。
「でも伍代が濡れちゃう。」
「いや、平気だから。」
「だめだよ。」
「大丈夫だから。」
「ほらそこすぐ二人隙あればイチャイチャすんだよなー」
そんな様子をみた剛に指摘され、なんとなく距離を離す。
「……普通だろ。」
「いやいや普通ではねぇから!付き合ってねぇのに距離近いんだよ!」
「別によくね?俺らいつもこんなもんだし。」
少し離れた距離に気づいた伍代に腕をひっぱられ、またすぐ距離が近づく。
そのままエスカレートしていき、剛に見せつけるようにそのまま手をとられ、恋人繋ぎになる。
驚いて伍代の方をみれば、こっちの反応をみて笑っていて、完璧からかっているとわかる。
「おい、Aもっと自分大切にしろ。」
「いやいや、そんなんじゃないから。伍代もこの手やめてってば。」
そんなとき、剛の携帯が鳴る。
「藤田さん?………え、緊急事態?わかったすぐいく!!」
藤田さんは確か剛のクラスメイトの子って聞いたことがある。
「ごめん、どうしても行かなきゃいけない用事ができちまってよ。」
「ふざけんなよ。おまえが連れてきたんだろ!」
「悪いな!」
走って剛は帰っていってしまい、三人残される。
そのあとすぐに雨はやみ、釣り道具をもって移動する。
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みお(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年6月25日 22時) (レス) @page13 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
みゆり - こんにちは!急なんですけどなんか最近伍代くん関連の作品キスシーン多くないですか?妄想が止まらなくて読むたびにカッコいい伍代くんに半殺しにされてるんですけど…。これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年6月18日 13時) (レス) @page4 id: 62691ac6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優奈 | 作成日時:2022年5月9日 23時