夢か現か ページ7
『ゲゲ郎さんゲゲ郎さん起きてくれますか？』
ーー丑三つ時、私はスマホに設定していたスヌーズ機能で何とか目覚め、ゲゲ郎さんの包帯を新しくする為にもよろよろと起き上がった。
包帯の他にも、ガーゼやハサミなどを真っ暗な部屋の中手探りで探し出し、ぼやける頭で何とか意識を保ちつつゲゲ郎さんに声をかけた。
「すでに起きておる。何の用じゃ」
起きてたんだと些か驚きつつも、相変わらず素っ気ない態度ではあるが、出会った当初よりも幾分かハッキリと聞こえるようになったゲゲ郎さんの声に、私は内心安堵していた。
『えっと、包帯を変えさせてほしいんですが…』
何の用だと問い掛けてきたゲゲ郎さんに、持っていた包帯をひらひらと見せながら私はそう答えた。
「それならもうよい、わし一人でも出来る事じゃ。お主はさっさと寝てでもおれ」
私が持ってきていた用具をサッと受け取り、まず始めにと、腕に巻かれていた包帯を丁寧に解きつつ、ゲゲ郎さんはさっさと私に寝るよう促してきた。
『…そうですか？じゃあお言葉に甘えさせてもらいますね』
自分の加減というものもあるだろうし、無理強いをして逆鱗に触れてしまうのも嫌だった為、私はゲゲ郎さんの言葉をすんなりと受け入れ再び布団へと潜り込んだ。
ーー『…あ、そうだゲゲ郎さん』
数分ほど包帯をｼｭﾙｼｭﾙと身体に巻き付ける音を聞いていると、だんだん眠気に襲われ始めた私は、瞼を完全に閉じてしまう前に、伝えたかった事があったのをふと思い出し、ゲゲ郎さんに話掛けた。
『お粥食べてくれてありがとうございました。すごく嬉しかったです』
さっきまで聞こえていた布擦れの音がピタリと止み、ゲゲ郎さんが耳をこちらに傾けてくれているとわかった私は、含み笑いをしながらポツリとそう呟いていた。
「……美味かったぞ樹。ありがとうな」
ーー果たして、今まで一度も聞いたことのない優しい声音でそう呟いたゲゲ郎さんは、私の作り出した都合の良い夢だったのか、それとも
真実を確かめる術もなく、私はただ深い眠りに落ちていった。
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永久瀬(プロフ) - mizuiroさん» いえいえとんでもない！すごく嬉しいお言葉です！今後も気長に付き合っていただけると有り難いです！ (12月9日 21時) (
レス) id: 8005ed3d7e (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - 永久瀬さん» ご返信ありがとうございます！こちらこそ無理なお願いで申し訳ありません！お話大好きなので今後も読み続けます！ (12月9日 20時) (レス) id: 29b3887541 (このIDを非表示/違反報告)
永久瀬(プロフ) - mizuiroさん» コメントありがとうございます！ご要望にお答えできず大変申し訳ないのですが、名前変更を可能にする予定は今のところ考えておりません。今後時間に余裕ができましたら、もう一度考えさせていただこうと思います。本当に申し訳ありません！！ (12月9日 19時) (レス) id: 8005ed3d7e (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - めちゃくちゃ好きなお話です！！これ名前変更することって可能ですか？？ (12月9日 19時) (レス) @page8 id: 29b3887541 (このIDを非表示/違反報告)
永久瀬(プロフ) - アミさん» ありがとうございます！更新はゆっくりになる時もあるかもしれませんが、頑張って書いていこうと思います！何卒、今後もよろしくお願いします！ (12月9日 8時) (レス) id: 8005ed3d7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永久瀬 | 作成日時：2023年12月3日 21時
