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新しい ページ37

「あー、さむい!」

「寒いねぇ」

「暖房ガンガン効かせた部屋でアイス食べたーい」

「背徳的」

「あっはは!なにソレどういう意味?」

「ちょっと悪いことしてる的な意味合い」


ふーんとあまり興味がなさそうな返事のあとに、彼女はこちらを見てニッと笑った。


「Aと会ってからアタシの頭、ちょっとマシになった気がする」

「そっか」

「うん。アンタと仲良くなれてよかったよ」


私にはできない真っ直ぐな言葉。


「私も…そう思うよ」


でも彼女のおかげか、影響か。彼女に対してだけは私も真っ直ぐなものをぶつけられる。


でもやっぱりしょうに合わなくて恥ずかしいから膝に顔を埋めた。


「毎日憧れのフルヤくんと勉強してんの?」

「…うん」

「ふーん。すごいね」


勉強とかアタシには無理だわと呟いた彼女をちらりと見る。


初めて話したときの赤茶の髪は、金、緑、青灰と色を変え、今は眩しいオレンジ色。


太陽みたいな、眩しくて目を瞑りたくなるような夕焼けみたいな、そんな色。


「降谷くんの教え方が上手いから続けられてるんだよ。じゃなかったらこんな続いてたかわからない」

「相変わらずフルヤくん持ち上げんね」

「本当に教え方が上手いの!すごいの!」


少し興奮の色が混ざった私を「ハイハイ。すごいすごい」と彼女は楽しそうにあしらった。


「適当!」

「だって何回も聞いたし。かっこよくてー、頭良くてー、素敵ーって」

「それに気遣いもできて優しくて、芯があって強くてね、」


指折り数える私を見て可笑しそうにする彼女に私もつられる。


私が髪を染めてなかったら、何度も夜にコンビニへ足を向けていなかったら。


きっと私の人生が彼女の人生と交わることはなかっただろうとふと思う時がある。


「ほんとフルヤくんのこと好きだね」

「うん。すごくかっこよくて、憧れ」

「そーゆー意味じゃなくて」


例えば、


「Aはフルヤくんのこと男として好きなんだよ」


ずっと抱いていた敬愛の感情を違う意味合いのものだと突き付けられたときとか。


まあそう人生で何度も訪れる場面ではないと思うけれど。


「…違うよ。これは敬愛尊敬の類だよ」

「えー。アタシの勘違い?」


残念とケラケラ笑う彼女に対し、私はひどく戸惑った。


出会ってはいけないものに出会ってしまったような困惑。動揺。冷や汗。


そんな思考に陥った私に一人の影が伸びてきて、


「えっ」


その人物は私の腕を掴むと突然走り出した。

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かものはし子(プロフ) - フライドポテトさん» 励みになるコメントをありがとうございます(*^^*) (2019年9月17日 13時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
フライドポテト(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。ドツボです。頑張ってください!!!更新待ってます。 (2019年9月17日 2時) (レス) id: 59946ff9b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年7月23日 18時

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