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友人 ページ17

"9時頃コンビニ行きます"


一時間ほど前に彼に送ったメール。


返事はいつも通り、"了解"と端的なものだった。



そして今。

時刻は夜の9時前。夜中と言うにはまだ早い時間帯。


適当なサンダルを突っ掛けて静かに家を出た。


夜の世界は、結構好きだ。


夏がまだ残るむっとした空気感とか。静けさとか。明るく照らす月とか。


もうすぐ秋の虫が泣き始める頃だろうか。

肌寒くなったらきっと、あっという間に冬が来る。


そういえば、根元の黒くなってきた部分はいつ染め直そう。

いっそ全部染め直すのは?

もう少し降谷くんの髪色に近い色にしたいかも。


そんなことを考えていたら、目的地のコンビニはもうすぐそこだった。


「あ、吉岡」


先に着いていたらしいメール相手の諸伏くんは、私に気づいて小走りで駆け寄ってきた。


「こんばんは」


諸伏くんと初めて会話をしたコンビニ。


夏休みの間、彼とは何回か夜のコンビニで鉢合わせをした。


その度に危ないだろと注意されながら、家まで送られるのが恒例になった。


「夜に出歩くのやめろって」

「ちゃんと諸伏くんに事前連絡してるじゃん」


まるで親のように心配する諸伏くんがある時、

『夜出歩くときは俺に連絡して』と言ってきたから。


それから夜のコンビニへ行くときはちゃんと時間をお知らせしている次第。


最初は当たり障りない探り合うような会話も、

だんだんと本音を混じえてお互いの話をするようになった。


私は彼を友人だと思っている。

高校で出会った唯一の、友人。


「そういえば、どうだった?」


店内に入って、お菓子を吟味する私の横で、諸伏くんは少し口角を上げて言った。


「…いきなり話しかけられてびっくりした」

「ごめんごめん。って、そこじゃなくて」


彼は、きっと降谷くんのことを言っているんだろう。


「憧れのゼロには勉強教えてもらった?」


ほら、やっぱり。

そういえば→←突然



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零
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かものはし子(プロフ) - フライドポテトさん» 励みになるコメントをありがとうございます(*^^*) (2019年9月17日 13時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
フライドポテト(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。ドツボです。頑張ってください!!!更新待ってます。 (2019年9月17日 2時) (レス) id: 59946ff9b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年7月23日 18時

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