【hnkkn】見える娘と祓い屋息子【源輝】 (ページ40)

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「と、言いたいところだが。」

「俺ァ荒事は好かん。この書庫を依代探しの名目で荒らされるのも御免だ。」

「アンタ喧嘩弱いだけでしょ。正直に言ったらどうなの？」

「黙れ、エキノコックス。」

あぁ、また喧嘩し始めた。喧嘩しないと死んでしまうのかこの怪異たちは。

ヤコちゃんに噛まれて血を流していても平然と話しを進めようとしている土籠先生はすこしかっこ悪い。

ヤコちゃんも加減というものがないのか。

「依代を渡せと言うなら応じよう。ただし条件付きだ。」

「「「ジョーケン？」」」

「俺は知りたがりな怪異でねェ。」

なんか嫌な予感がする。

こんな時に輝がいたら容赦なく祓っているだろう。

「ここ”16時の書庫”は学園にまつわることなら過去から未来まですべての知が集積している。自慢の社だ。たとえ一時でもこの書庫を俺から奪おうと言うのなら・・・。」

ゴクリ

「それに見合う情報を寄越せ。」

『情報？先生の知らない情報を寄越せってことなのね。とんだ変態じゃない。』

「具体的にはお前らの個人的な秘密を教えろ。」

「「『はぁーーーーーー！！？』」」

「秘密！！？」

秘密って・・・。

昨日こっそりコンビニで買ったプリンを食べてしまったとか。

たまに輝のお弁当の味付けミスしてるとか。

私は、祓い屋の娘だってこととか。

どの秘密なら先生は納得するのだろうか。

というかなんでこの人に教えなきゃいけないのか。

「三人が秘密を話さなかったらどーすんの？俺とケンカする？」

勝手に頭数に含まれてるし。

「・・・まさか、依代は渡しますよ。だが腹いせにお前らの恥ずかしい秘密を校内放送で垂れ流してやる。」

『性格悪すぎ。輝とどっこいどっこい。』

「そっそそそんなハッタリつつ通じねーぞ！！！」

「ほォ。まぁ、面白かったぞ。この本。」

「それ・・・・！！！！？」

土籠先生が手にしていたのは寧々ちゃんの本だった。

確か最初に自分で読んですごい勢いで閉じていたけどそんなに隠したい秘密が描かれているのかな。

「そんじゃァ、精々俺を楽しませろよォガキ共。」

そうして寧々ちゃんが秘密を話そうとしている場面に戻るのである。

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秘密。

そういえばもう一個あったな。

けどこれは死ぬまで誰にも言わない。

言う気は全くないのだ。