【hnkkn】見える娘と祓い屋息子【源輝】 (ページ33)

今日:17 hit、昨日:21 hit、合計:78,618 hit

３１ページ33

「女子トイレに入らないで欲しいって。」

「「『・・・。』」」

「女子生徒から苦情が来てるんですよねぇ。」

そりゃそうである。一般に人は怪異が見えないわけで、まさか女子トイレに怪異がいることなんて知らないし男子である光が何のためらいもなく入っていくのは気持ち悪いことだろう。

「オレは生徒を守るためにここにいるんすよ！！！ねぇ！先輩！！姉ちゃん！！！」

「んっと・・・。」

『女子トイレに男子は入っちゃダメでしょ・・・。』

「保護者に報告しますよ。もう伝わってるようなもんですけど。」

「のあっ！！！！」

もう伝わってるようなもん。確かにそんな感じではあるけど何となく先生に申し訳なさしか感じなかった。

「そんな・・・・先輩に姉ちゃんまで・・・・・花子もいねーし・・・これじゃ輝兄との約束が・・・。」

「花子くんいないの？」

「さっき来たらこんなのがあって。」

『会議に行ってきます・・・。会議？誰と？』

「会議？ハッ！源くん今何時ですか！？」

「四時ちょっと過ぎっす。」

「ああまずい、先生四時から会議なんです。源くん！とにかくもう女子トイレに入らないでくださいね！」

そう言って土籠先生は足早に去って行った。

花子くんいないなら生徒会の方で仕事やってこようかな・・・。

「源くん・・・Aちゃん・・・・”16時の書庫”って知ってる？」

『え？』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「うーん。二人とも付き合わせちゃってごめんね。」

「平気っす！先輩のためなら火の中水の中っす！！」

『私は気にしてないよ。花子くんの本探すんだっけ？』

「うん！」

「それにオレもあいつの本読んでみてーし。」

「弱点を知りたいとか？源くんってばまだ花子くんのこと祓う気なのね。」

「あー。」

寧々ちゃんに問われた光は少し顔を赤くして答えた。

「オレ、止めたんすよ。そーゆーの。」

「え？」

「なななんつーかホラ！！」

『寧々ちゃんが花子くんのこといい怪異って言ったでしょ？昨日ちょっといろいろあって花子くんが本当にいい怪異なのかそれとも悪い怪異なのかを確かめて必要があったら祓おうって私と光で決めたの。』

「オレってアイツのこと何も知らないんすよね。あ、でもA姉が言ってるみたいに悪いやつだったら祓うんでやっぱり弱点も知りたいっす！」

「源くん・・・せっかくAちゃんがいい感じに言ってたのに・・・。」

フフフっと笑い私と光の手を握ってニコッと笑う寧々ちゃん。