【hnkkn】見える娘と祓い屋息子【源輝】 (ページ30)

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「あア”アアアァ！！！」

なんども輝の放電を受け息絶え絶えな花子くんにはそろそろ限界が近づいているように見えた。

「もう諦めなよ。何年も此岸にいたんだろ？君は罰を受け入れるべきだ。」

「は・・・ははは・・・・罰？」

「何？」

「生きてるやつはみんなそうだ。死ぬことが・・・消えることが・・・一番の償いになると思ってる。ヒトゴロシの存在ひとつっきりで償えるものなんて何もないのに。だったら消滅なんてタダの救いだ！俺にはまだ・・・ここでやらなきゃならないことがある！！」

「！！」

『光。あとちょっとだから動かないで。』

どうやら花子くんの発言で光は意見が固まったらしく兄と怪異を力ずよく見つめていた。

「そう・・君には君で色々事情があるんだね。でも。」

この男は怪異が嫌いだ。

容赦なく花子くんの心臓があったところに霊刀を突きたてた。

「どうでもいいんだよねそういうの。君は危険な怪異だ。だから祓う。それだけ。」

汚いものを見るような顔でトドメの放電をする輝。

『光！』

タイミングよく数珠が外れ輝の霊刀に光は何のためらいもなく握り花子くんから引き抜いた。

「しょっ・・・」

「お前どうして・・・いつの間に拘束を。」

「うらああああああああああああ！！！！！」

刀を握ったまま立ち上がり輝の方に重心を寄せ光を押し倒した。

「光！やめろ！！」

弟の意外な行動にまったく理解ができない目は揺らいでおりびっくりしている輝は初めて見た。

「・・・光。血が出てる。」

粗い呼吸をしていた光だが息を整え輝の胸倉をつかんだ。

「バカにすんじゃねー！！！」

「！！！？」

「オレは弱いし！輝兄よかバカだけど！何も考えなくていいなんてウソだ！！そんくらいわかる！！」

私は光に近づきそっと背中をさする。

「・・・オレは確かにコイツのこと何にも知らないでいいとか悪いとかテキトーに決めて全然・・・ダメだったと思う。でも怪異だから、危ないからって全部祓っちまうのはなんか・・・ちげぇんじゃねーかって。」

『それは私も同意見。というか前このことで喧嘩したよね私たち。』

「その、今すぐは無理だけど・・・輝兄みてーにオレもっと強くなるから。それからどうするかオレが決める。必要ならオレが祓う！だから輝兄は手ぇ出すな！！」

「明日そいつが生徒を襲う可能性もあるんだよ。」

「そそっそうならねーようにオレが監視する！オレが責任取る！」