【hnkkn】見える娘と祓い屋息子【源輝】 (ページ23)

今日:1 hit、昨日:21 hit、合計:78,602 hit

２２ページ23

あーあ。昔からそうだ。

私の考えてること、秘密にしてることぜーんぶ輝は知っている。

「七番のことはいいや。光から聞けばいいし。で、ほかにもいるんでしょ？」

『・・・言わない。輝が怪異をよく思ってないことは知ってるけど消すでしょ。』

「その怪異が安全だって言いきれる？明日人間を襲うかもしれないんだぞ。」

『その時は。私が祓う。』

「祓うってAは抵抗しか・・・。」

『いいよ、隠さなくて。知ってるから。』

知ってる・・・から・・・・。

小さな声でつぶやくと輝は少し動揺した。

『最近短刀使った時ﾊﾟﾁﾊﾟﾁｯって音がして手が少しだけ感電したの。今までそんなことはなかったから怖くてお母さんに聞いたら・・・・そろそろ話さないといけないねって、私のこと教えてくれた。』

「・・・。」

『輝優しいからお母さんから聞いてもちゃんと黙ってたんでしょ？あのね。今度化野(かの)家の分家の祓い屋の方と修行することになったの。だからもう輝が私を守ってくれなくていいよ。』

「そんなすぐにできることじゃない。危険だ。今すぐやめ・・。」

『うっさい！！！別に私がどの怪異と仲良くしてどんな男の子に告白されても他人の輝には関係ないでしょ！！お願いだから必要以上に関わらないで！！！！』

大きく目を見開き動揺したすきに数珠から脱出し教室に戻った。

教師からは早かったなと言われ私は何事もなかったかのように授業を受けた。

そして放課後。まっすぐ家に帰るのが憂鬱で何も考えずに歩いているといつの間にか美術室の近くの階段に来ていた。

ヤコちゃん今いるかな。

私は何のためらいもなく階段の四段目を踏んだ。

足元には水、あたりはうす暗く建物らしきものの灯が見えた。

ﾊﾟﾁｬﾝﾊﾟﾁｬﾝ

ﾁﾘﾝｯ

「アンタまた辛気臭い顔してる。」

『ヤコ・・ちゃん？』

「そうよ！何辛気臭い顔してあたしの境界に来てんのよ！」

稲荷狐の姿ではなく人間の姿で現れたヤコちゃんに思わず飛びついてしまう。

『ヤコちゃぁ～～～～～～～。』

「ちょっと！！急にくっつかないでよ！！！」

『よかった・・・よかった・・・・。』

「・・・・。心配かけて悪かったわね。」

『ふふふ・・・。今日ちょっとここにいていい？』

「あたしは構わないけど家で幼馴染ってやつが待ってるんじゃないの？」

ヤコちゃんには自分に幼馴染がいること、その幼馴染と暮らしていることは話していた。