【hnkkn】見える娘と祓い屋息子【源輝】 (ページ3)

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『そろそろ行かなきゃ。またね、もっけちゃん。』

「またな。」

「あめ。もってこい。」

『わかってるよ。だから私の物持ってかないでね？』

もっけちゃんたちが食べた飴のごみを回収して教室に戻る途中輝に用があったのか光に話しかけられた。

「あ！A姉！」

『光。源君に用事？』

「うっす。これ兄ちゃんに渡そうと思ってて。」

そういって光がぽっけから取り出したのは見覚えのあるスマホだった。

『スマホ？』

「兄ちゃん朝忘れていったの気づいてなくって連絡とか不自由だろうなって。本当は朝渡したかったんすけど。」

『そっか。この時間なら教室にいると思うよ。中等部遠いし早く届けておいで。』

「っす！A姉今日・・・。」

『ゴメン、生徒会があって。てぃあらお願いできる？』

「大丈夫っすよ！てことは兄ちゃんも遅いのか・・・。」

『お留守番よろしくね。じゃ、私行かなきゃ。』

ペコっと頭を下げて輝のクラスに入っていく光を見届けてから教室に入る。

クラスに特定の友達はいないし私に話しかけてくる人なんていないから静かに席について次の授業の用意をする。

存在感のない私の一日がこうして過ぎていく。

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「A先輩。こんにちは。」

『蒼井くん。こんにちは。その・・・・・。ごめんね。』

「いや！先輩は悪くないです。悪いのはこの腹黒かいちょ・・・。」

「ん？蒼井なんだって？」

「ナンデモナイデス。」

『頭に血が溜まっちゃうよね。源君早く降ろしてあげて。』

「Aがその呼び方やめてくれたら降ろすよ。」

「先輩大丈夫です。無視してください。」

そういわれても毎回輝に吊るされている後輩を見るのは胸が痛む。

『・・・輝。蒼井くん降ろしてあげて。』

「よくできました。」

「ｸﾞｴｯ」

輝がぱちんと指を鳴らすと怪異捕縛用の数珠が輝の手首に戻っていき蒼井くんはそのまま床に落下。

『蒼井くん大丈夫？毎回ごめんね。』

「だから先輩が謝ることじゃないですから。」

「そうだよ。吊るされるのが蒼井の仕事なんだから。」

『怪異へのストレス発散法がおかしいのよ。ねぇ早く仕事頂戴。早く終わらせて帰りたいの。』

「ん。」

ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

『蒼井くんちょっと手伝ってくれる？源君はほっといていいから。』

どうせ蒼井くんに仕事をやらせない輝を放置して渡された仕事を進める。

特に不備はなく先生に提出して輝より先に私は帰宅した。