【hnkkn】見える娘と祓い屋息子【源輝】 (ページ18)

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「で、なにかあったの？」

私が動揺していることも手に取るようにわかる輝は心配そうに聞いてきた。

『なにもないわよ。てぃあらのお迎え行かなくちゃ。早く。』

「はいはい。」

私が聞くなといったことは怪異がかかわっていない限り輝は言及してこない。

最近ではこうやって一緒に行動しても周りから言われることはなくいじめもなくなっている。

なんだか小学生のときに戻ったみたいだった。

てぃあらのお迎えを一緒に行ってそこからは真ん中にてぃあらを挟んで帰宅した。

「『ただいま。』」

「ただいま！！！！」

「輝兄にA姉にてぃあらおかえり！今日はカレー！」

「わーい！！」

『こら、てぃあら。手洗ってからよ。』

「はーい！」

『輝もつまみ食いしない！』

「はい・・・。」

私はいつから君たちの母親になったのだろうか。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「輝兄珍しいな！A姉と一緒に帰ってくるなんて。」

光がそういえばと不思議そうにつぶやいた。

「確かに、何があったかは知らないけどどうやら一人で帰りたくなさそうだったかな。」

「兄ちゃん知ってる？」

「何が？」

「A姉告白されたってこと。」

「！！！」

今日放課後用事ができたのもそれだったのか。

しかも光が言うにあの告白の木に呼び出されたらしい。

「けどA姉のことだから断ってると思うけど・・・。」

「教えてくれてありがとう、光。」

彼女のことだ。今まで恋のこの字もしてないから断ったに違いない。

そう思うと何故か安心し、まだ自分のところにいると思ってにやけが止まらない。

いつからこうなったのだろうか。

僕だけ見てればいい。

僕にしか助けを求めてほしくない。

僕だけ仲が良ければいい。

そんな感情が渦巻き始めたことに気づいた。

もう自分が守らなきゃいけない保護対象から自分が愛してやまない存在に変わっていたことがおかしくて笑ってしまう。

「あ・・はは・・・・・。」

『輝？なんか変なもの食べた？』

歪んだ愛を抱えた男に怪奇そうに聞いてくるかわいいかわいい僕の大切な人。

「ん？いや、今日の蒼井が面白くて思い出し笑いしちゃった。」

『ふーーん、ほどほどにしなよ。後輩いじり。』

「僕のストレスの貯蓄によるかな。」

『ほかの発散方法見つけなさい！』

早く僕のところに落ちてこないかな。