分かっていても ページ44
(うっ…。胸やけが…。)
トントン様に見つかることなく続いたお茶会では、次から次へとお菓子が勧められた。もはやこれも食害なのでは？…というほどに。
os：「Aちゃん、これ！このモンブランは絶品めう！ほら！」
gr：「こっちのショートケーキもなかなか美味いゾ！」
両手にも、目前の机上にも、大量に並べられたお菓子たちがある。プリン、ワッフル、ドーナツ等々…さすがに全てを食べ切れるお腹は残っていない。
助けを求めてショッピ様を見ても、クッキーを少しずつ齧りながら同情の眼差しを送られるだけ。
os：「今日は、"Aちゃんの好みを知ろう"の会やからね！主役は遠慮せず、たくさん食べなきゃ駄目めう！」
shp：「今決めたでしょそれ…。」
gr：「(もっきゅもっきゅ。)」
普段それほど甘味を食べない私からしたら、もう十分すぎるほど食べているんだけど。
しかし、オスマン様とグルッペン様はフォークを持つ手が全く止まらない。おばちゃんの言っていた通り、お二方は…無類の甘いもの好きなんだろう。
そうして、ゆったりと流れる時間の中。
色んな話を聞き、時には筆談で会話に参加させてもらった。
そんなことをしていたら、いつの間にか日は暮れてしまっていて。急いで片付けをして、夕食のために食堂へと向かうことにした…のだが。
「絶対あいつ怒ってるよな…。」と、暗い顔をし始めるグルッペン様。
「覚悟決めとかないと…。」と、肩を落とすオスマン様。
そんな二人を見てショッピ様は、「はぁ…。」とため息をついていた。
急なテンションの変化に若干戸惑いつつも、三人の様子から、何か良くない事が起きる予感がする。
重い足取りで漸く辿り着いた食堂に入ると、その空間は一瞬にして静かになった。
後ろについて歩いていた私は、何事かと思って辺りを見回す。すると急にグルッペン様に肩を掴まれて、誰かの前に出された。
背に隠れようとする彼を横目に、目の前に立つ人物を見上げれば。…案の定、そこにはトントン様が。
(お、怒って…るのか、な？)
一言も喋らないトントン様は、笑っているのにどす黒いオーラが滲み出ていて、思わず身震いする。
tn：「Aさんを盾にするとは、ええご身分やなぁグルッペン？」
gr：「ちゃ、ちゃうんすよ。ねぇ、オスマンさん？」
os：「俺に振るなバカ！」
shp：「Aさん、関係ないんで俺らは行きましょ。」
gr：「ショッピ、お前裏切る気か！」
結局、全員怒られた。
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ミノリ(プロフ) - あんさん» コメントありがとうございます！！！めちゃめちゃ嬉しいです！！なるべく早く更新できるよう頑張りますね！ (2021年2月1日 11時) (
レス) id: e01edd4ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - とても面白いです！！！つい読みいっちゃいました！！！ (2021年2月1日 0時) (レス) id: b9be5feb1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノリ | 作成日時：2020年9月28日 11時
