気心知れた間柄 ページ39
ロボロさんから聞くはずだった説明を、エーミール様がほとんど話してくれる。
この軍でのルールや、生活の仕方等、基本的なものから、各部隊の特徴まで。
いずれはどこかの隊に所属しなければならないので、聞き逃すことなく念入りに聞いておく。
em：「Aさんは、どこの隊が合うのでしょうかねぇ…。私からすれば、戦闘系でも前衛ではない…という感じがしますが。」
だから、ひとらんさんの部隊をお勧めしたんです、と。その後に小さく「ロボロさんのこともありますしねぇ…。」と言ったのを、私は聞き逃さなかった。
考え込んでいると、エーミール様は急に手を上げ、誰かに向かってアイコンタクトを取る。その方向を見ると、此方に向かって歩いてきていたのはショッピ様だった。
shp：「すんません。話し中に。」
em：「いや、全然ええよ。返しに来たん？」
shp：「あ、そーっす。」
「ちょっと待っててね。」と言われ、2人は歩いて入り口近くのカウンターの方へ向かう。
…正直ちょっとびっくりした。
さっきまで敬語を使ってたエーミール様が、急に打ち解けた話し方をするから。
気の置けない仲間なら、そんな風に接するんだなぁ…という謎の安心感と、まだまだ私は新参者だな…という、小さな不安感が入り混じる。
2人が戻ってくる気配に顔を上げると、エーミール様は私にある提案をした。
em：「Aさん。これから各隊の訓練を見に行ってみるのはどうでしょうか。ショッピくんが案内してくれますよ。」
そう言われショッピ様を見ると、なんてことはない…といったような顔で私を見ている。そのあまりにも…つかみどころのない表情に、本当にいいのかなと思いつつ。折角の提案なので、有難く申し出を受けることにした。
頷く私に、嬉しそうに笑うエーミール様と、微かに口角が上がるショッピ様。
em：「よし、決まりですね！ショッピくん、あとよろしくな。」
shp：「は〜い。」
手招きされ、ショッピ様に続いて図書室を出た。振り返るとエーミール様は優しく微笑んだまま手を振ってくれている。
ぺこりとお辞儀をしてから、その場をあとにした。
2人で廊下を歩く。
ショッピ様はあまり話す方ではないのかもしれない。けれどその分、私がちゃんとついてきているか、何度も振り返って確認していた。
shp：「災難だったっすね。…ものの数時間で、ロボロさんが職務放棄するとか。」
職務放棄…。
若干違う気もするけど、大きく外れてもいないな…。
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ミノリ(プロフ) - あんさん» コメントありがとうございます！！！めちゃめちゃ嬉しいです！！なるべく早く更新できるよう頑張りますね！ (2021年2月1日 11時) (
レス) id: e01edd4ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - とても面白いです！！！つい読みいっちゃいました！！！ (2021年2月1日 0時) (レス) id: b9be5feb1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノリ | 作成日時：2020年9月28日 11時
