彼の色 ページ36
rb：「これ！Aちゃんの"インカム"な！」
そう言って手渡されたのは、見たことのない小さな機械。どうすればいいか分からず、手のひらで持て余していると、ロボロさんは私の耳にそれを掛けてくれた。
rb：「これは此処の軍で使われる通信装置や。連絡事項とかはこれで伝えられることも多いから、慣れとかんとあかんで。」
ロボロさんが自分の耳に掛かっているインカムを触ると、私の耳のインカムが鳴った。「ここ押して出るんやで。」と言われた通りの場所を探って押してみる。
rb：「こんな近くやとよう分からんけどな！まあ、出方だけ分かればええやろ。”了解”って伝えたかったらインカムをコンコンって叩く方法があるから。」
見よう見まねで同じことをする。これは声を出せない…例えば潜入調査の時なんかにする主流の方法らしいから、皆意味は知っているそうだ。
慣れない感覚に違和感を感じるものの、新しい武器を手に入れた気がしてワクワクする。一通りの扱い方を教えてもらい、通信室を後にした。
再びロボロさんと廊下を歩いていると、先ほど挨拶したばかりの幹部の方に会う。
ut：「あれっ？ロボロ、何しとん。」
rb：「ん？あぁ、大先生か。今インカム渡したとこやけど。」
ロボロさんがそう言うと、鬱様は私を見た。
ut：「あ〜！さっきぶりやね。鬱です〜。」
ぺこりと頭を下げると、何かに納得したようにウンウン頷く鬱様。なんだろう…？
rb：「変なこと考えてんちゃうぞ、お前。」
ut：「酷い！そんなん考えとるわけないやん。ただ素直でええ子やな〜って。」
rb：「絶対嘘やん…。Aちゃん、こんな奴に様付けしたら馬鹿を見るからな。」
ut：「おまっ…！まぁ、ええけど。因みに俺、"鬱先生"とか"大先生"って呼ばれとるから。そんな感じで宜しく！」
ふにゃり…という効果音が付きそうなほど柔らかい笑顔を向けてくれる鬱先生。ロボロさんは呆れたように見ていた。
そのまま歩いていると、どうやらそろそろ昼食の時間らしく、三人で食堂に向かうことになる。暫く二人で話しているのを眺めていたが、いきなり鬱先生が私の方へ振り返り、「ちょいと失礼…。」と言って、横髪をかき上げられた。
その動作全てがあまりにも自然過ぎて立ち止まると、驚いたロボロさんが声を荒げる。
rb：「はぁ？！大先生、お前何してんねん！！」
ut：「あぁ、すまんすまん。ちょっと確認…ってか、お前このインカムの色さぁ…。」
え、インカムの色…？
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ミノリ(プロフ) - あんさん» コメントありがとうございます！！！めちゃめちゃ嬉しいです！！なるべく早く更新できるよう頑張りますね！ (2021年2月1日 11時) (
レス) id: e01edd4ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - とても面白いです！！！つい読みいっちゃいました！！！ (2021年2月1日 0時) (レス) id: b9be5feb1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノリ | 作成日時：2020年9月28日 11時
