和解 ページ25
sn：「あ、ちょっとごめんね。」
耳元を触って、誰かと話し出す。どこかと通信しているようだった。
sn：「はい、こちらしんぺい。どうぞ。」
通話している間、場が静寂に包まれる。
私は1人で、さっきの言葉の続きを考えていた。
(むしろ…？なんだろう、何て言おうとしてたのかな…。)
自分では、全く想像がつかない。
sn：「了解。怪我人は？…うん、分かった。すぐ向かうね。」
そう言った後、私の方に向き直る。
sn：「トントンから連絡。ゾムを押さえたって。怪我も、みんな、かすり傷程度らしいよ。」
その言葉に、私はとても安堵した。私のせいで、取り返しのつかない事になったら…と、怖かったから。
そんな私の様子に、ロボロさんも安心したようだった。
sn：「えっ〜と、鎮静剤と、救急箱と…っと。じゃあ、ちょっと行ってくるね！すぐゾムと一緒に戻ってくると思うから。」
足早に部屋を出ていき、私と、ロボロさんと、父さんだけの空間になる。
さっきから一言も発さない父さんの方を見ると、丁度父さんと目が合い、此方に歩いてきた。
久しく撫でられてない頭に手が置かれ、優しくそれが動く。
「無理…させすぎたな…。すまん。」
その声は、酷くかすれていた。
・・・
隣のベットに運ばれてきたゾムさんは、数時間後に目を覚ました。
起きた直後はボーっとしていたが、私の事を数秒見た後、ものすごい勢いで此方に駆け寄って来る。
zm：「Aちゃん…やんな？お、俺、ホンマに…、ごめん！！自分でもやり過ぎたって分かっとる！自分で自分が止められんくって…。怖い思いしたよな。…ごめん。」
sn：「ゾム、落ち着いて。急に動いたらあかん。」
zm：「あ、あぁ。悪い…。」
まだ少し、気分が落ち着いていないようで、せわしなく動くゾムさん。
安心させるように、その手をぎゅっと握る。
困惑しているようだったが、大人しくベットに座って私の方を見ていた。
背中に手を当て、あやすように優しく撫でる。”大丈夫”の気持ちが伝わるように。
sn：「Aちゃん…。」
zm：「あ、ありがとうな…。ほんまにごめん。」
涙を流しながら、「ありがとう」と「ごめん」をゾムさんは繰り返す。
私は、その涙が止むまで、背中を撫で続けた。
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ミノリ(プロフ) - あんさん» コメントありがとうございます！！！めちゃめちゃ嬉しいです！！なるべく早く更新できるよう頑張りますね！ (2021年2月1日 11時) (
レス) id: e01edd4ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - とても面白いです！！！つい読みいっちゃいました！！！ (2021年2月1日 0時) (レス) id: b9be5feb1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノリ | 作成日時：2020年9月28日 11時
