観客 ページ19
訓練場にて
zm：「チ〜ッス！皆おつかれ！」
「「「「「お疲れ様です！！」」」」」
引き摺られるようにして、連れてこられた訓練場。そこには、沢山の軍人さんが居た。
その人たちはゾムさんを囲み、その手に掴まれている私を物珍しそうに見る。
大勢に囲まれて完全に萎縮してしまった私は、誰の目線にも合わないよう、下を向く。
zm：「Aちゃん！？だ、大丈夫やで！皆ええ奴やから！ おい〜！お前らのせいで怖がってもうたやないか！」
その言葉に少し顔を上げると、皆さんは申し訳なさそうに此方を見ていた。
「怖がらせてゴメンね〜。」
「ジロジロ見て、悪かった…。」
「こんな奴らに囲まれたら、そりゃ怖いよな。」
「それ、お前も同じだからな！」
ワハハと豪快に笑う沢山の声。それに安心して、私も笑った。
zm：「コイツらは、俺が指導しとる部隊の隊員達やで！せやから、ちょ〜っとガタイ良くて怖いけど…。中身は優しい奴ばっかやからな！」
私は、よろしくお願いしますの意味を込めて、ペコリとお辞儀をした。すると、1番近くにいた隊員さんに頭をクシャッと撫でられる。他の隊員さん達も、ニコニコと親しみやすい笑顔を向けてくれた。
zm：「俺ら、1対1の実戦やるから。端の方ちょい使わせてな！」
私の頭を撫でてくれた隊員さんに、ゾムさんは声を掛ける。
「そんな！どうぞ、真ん中をお使いください！それと…良ければお二人の戦いを見学したいです。学べることも多いでしょうし！」
その人がそう言うと、他の皆さんもうんうんと頷く。
zm：「おう、ええで！ホンマ勉強熱心やな、お前は。さすが副隊長なだけあるわ。他の皆もよう見ときや！」
ゾムさんはそう言うけど、
私は、こんな大勢の人たちに見られながら戦うとか、結構恥ずかしいかも…。
しかし、私の意見なんか言えるはずもなく。寧ろ、それを聞いて「頑張れよ！」と応援してくれる隊員さんを前に、そんなこと言えなくなってしまい…。
zm：「んふふ。楽しみやなぁ！！Aちゃん、本気でぶつかってきてな！手加減したら、容赦せんで？」
覗き込んできたゾムさんの目は、全く笑っていなかった。
途端に、その場の緊張感が高まる。
こうして、私とゾムさんは、
フィールドのど真ん中で、
沢山の人に見られながら、
再び対峙することとなった。
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ミノリ(プロフ) - あんさん» コメントありがとうございます！！！めちゃめちゃ嬉しいです！！なるべく早く更新できるよう頑張りますね！ (2021年2月1日 11時) (
レス) id: e01edd4ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - とても面白いです！！！つい読みいっちゃいました！！！ (2021年2月1日 0時) (レス) id: b9be5feb1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノリ | 作成日時：2020年9月28日 11時
