It's You. 6

. ページ42

しかし、彼女は一歩一歩踏み出す。







『14年前の、A夫妻殺害事件を覚えてますか…。』




「…あ、ああー、あの事故ね、悲惨だったねえ。
お子さんだけ取り残されて無理心中なんてバカ親がすることだよね〜？」








他人事な言い回しの相良。






目の前の少女の正体には気づいていないようだ。






.






.








「ジロちゃん…！」





殴り込みに行こうとする一ノ瀬を止める本間。







.









『事故じゃ…ないっ…、』





「ん？お嬢さんなんて？」





『…ッあれは事故なんかじゃないっ！！！
男二人組が家に来て、私のお父さんとお母さんを殺した！！
私が見たっ！この目で見たんだからっ、！』






「…あーあ、」









やっと理解したようで、

相良の細長い目は薄暗く淀む。







.








.








「…あの時の生き残った子だ？もうこんな成長してるんだね？」






『あなたですよね…？』





「はあ？」






『私のお父さんとお母さんを殺したのは、近藤警部補と相良検事。あなたたちですよね？！！
指示したのは近藤警部補、実際に刃物で実行したのはあなたですっ、！忘れたりなんてしないっ！！父と母を殺したあなたの顔を、！！っ、』






「…ちっ。うるさい親の子はうるさいガキだな？Aがしつこいからだよ。俺と近藤さんがせっかく世の犯罪者を穏便な方法で見逃してやってるってのに。」







Aの父親は生前、検察官の仕事をしている際、


近藤と相良が立証を揉み消そうとしているところを目にした。









Aの父はすぐに、相良に直訴しに行く。









＿A父「よく考えてくださいっ！相良さんのやってることは犯罪だぞっ！！？今ならまだ間に合うっ、自首しましょう？」




＿相良「……チッ、」




＿A父「もしもやめないのなら、すぐに上に報告させてもらいます！！
僕は相良さんを信じてますからっ！！」









.









.









しかし、当時の相良はその言葉を聞き入れようとはしなかった。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す