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「ここにいます」と小さい声で言ったスタッフさんにお礼を言いながら、簡易的な紙に「救護室」と書かれた部屋の扉を開ける。



急ごしらえなんだからベッドもないと聞いていたけど、確かにこじんまりとしたその部屋の中は殺風景に見えた。

一番奥にある茶色の固そうな革張りのソファには(名前が座っていて、その横には心配そうな顔を隠せていないスンチョルもいる。





「ミンギちゃん」





そう呼んだAを見たのは、なんだか久しぶりな気がする。

スンチョル達とデビューする少し前から「ミンギヒョン」なんて呼び始めた時はどうやめさせようか真剣に悩んだ事もあった。




駆け寄ると、Aがソファから立ち上がって胸に飛び込んできた。


欲見なくても目の縁は赤い。

あーあ、やっぱり泣いたのか。





「何も言わなくていいよ、A。全部わかってるから、大丈夫」

「ミンギちゃん、」





そう言うと、余計にAを泣かせてしまう。

オレはアロニヒョンやミニョニと違ってこういうのはへたくそなんだよなぁ……





「お疲れ、ミンギ」

「来てくれてありがとう」

「おう」

「明日も収録入ってるんじゃないの?A、こんなに泣いちゃって〜」

「……ミンギちゃん、かっこよかったよ」

「そうだろ?」

「ずっと見てて、」

「ああ、アロニヒョンが喜んでた。あの人、オレ達がいなくて相当寂しかったらしい」

「毎週実況してた。ヒョンと会えない時も、ずっと」

「そっか。ありがとう、A」

「ミンギちゃん」





スンチョルがAの名前を呼ぶと、ゆっくりとオレの胸から離れていく。


テーブルに置いてあったティッシュを渡すと小さく微笑んだ。

泣き顔は変わらないけど、こっちの方が全然マシだ。





「A、倒れたって聞いたけど」

「……どこでそんな話になってるの?」

「ちょっと過呼吸みたいになってな、今は落ち着いたけど」

「本当に?」

「だって、」

「わかったわかった、もう泣かなくていいから」

「……ごめんね、今は皆と一緒にいる時間でしょ。本当に誰も呼んでほしくなかったんだけど……」

「黙っててもすぐバレたと思うけど?ミニョナにも言おうか?」

「絶対ダメ……ああ、でも一つだけ」

「うん」





頷くと、Aの口から出てきた言葉は意外とあっさりしたものだった。

それを噛みしめて笑いながら、スンチョルとAに「また後で」と手を振った。


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3→←PRODUCE 101 S2 終



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せの(プロフ) - かりふらわーさん» ありがとうございます!わ〜〜そう言ってもらえるととても嬉しいです!評価まで〜〜!!またお暇なときにでも読んでいただけると嬉しいです! (2019年11月26日 10時) (レス) id: c619cb401b (このIDを非表示/違反報告)
かりふらわー(プロフ) - 更新お疲れさまです!前作の男装生活からずっと読ませて頂いているのですが、セブチの小説を書かれる方の中で一番大好きです…毎回、お話が更新されて読み終える度に星の一番右を押しては「既に投票済みです(無効)」となって虚無ってます… (2019年11月22日 18時) (レス) id: 17042f9c9d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - もさん» 遅くなってすみません!ありがとうございます!次に出す予定だったのがMonstaXが出てくる話だったので炎上の様子見したり、違うのを書いたりしてて浮上するのが遅れちゃいました!もうそろそろまた上げると思うので、その時はまた読んでいただけると嬉しいです! (2019年11月11日 15時) (レス) id: 864812d0e0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 知らせてくれるせのさんなのでどうされたのかな?と、、、、、またこの作品を読める日を楽しみにしています!応援してます^ ^ (2019年11月5日 21時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - せのさんこんばんは!いつも作品楽しく読んでます!毎日せのさんの作品を読むために生活しているといっても過言ではないのですが、最近更新が無くて心配しています汗今まであまり更新が空いた事が無かったし、なにか事情があって更新出来ない状況だと (2019年11月5日 21時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せの | 作成日時:2019年10月16日 9時

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