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Aから見てオレはいったい何なんだろう。
ただのメンバーの一人なのかもしれないけど、それだけじゃ絶対に嫌だ。
なぜか頭の端っこの方でブスングァンのふざけた高笑いが響き渡る……
幻聴だなんて、そんな……
オレが頭を抱え出したのを見て、ウジヒョンが少し笑い、そしてオレに向かって独り言のようなトーンで話しかけた。
「オレはお前が……ミンギュはもう少し勘の良いヤツだと思ってたんだけど、どうやらそうでも無かったらしい」
そう言ったヒョンが椅子から立ち上がって、オレの目の前にある大きなテレビの前でしゃがみ込む。
既にテレビとしての役目は成してなくて、もっぱらゲーム用モニターと化しているものだ。
「ミンギュ、物事には全て理由が着いて回ってる」
「理由……?」
「だとすればAがお前に対して、どうしても素直になれない事にだって理由があるんだろ」
「……それって、例えばどんな?」
「お前はAが少しずつばらまいている好意に全く気付くことも無ければ、すぐにからかうような態度を取るから、」
「からかってなんて……!」
「仮にそうじゃなくても、Aにはそう見えるんだよ」
ウジヒョンが「アイツはあれで照れ屋だからな」と呟いて、テレビ台の下に置いてあったレコーダーのリモコンを弄る。
そんなのが置いてあったなんて今まで気にも止めてなかった。
「……ホシヒョンは?」
「アイツは全部解ってるようで、やっぱり解ってなくて、結局解ってるんじゃないか?知らないけど」
「オレとホシヒョンは違うって事?」
「まあな」
「うっ……じゃあ好意って?ヒョンはそのAの好意にとやらに気付いてる?」
「オレはAから好かれてるって自覚してるよ。お前と違ってとっくの昔にな」
「ど、どうしよう……何も言い返せない」
「ほら。A専用だし、内緒にしとけよ」
そう言ってヒョンがオレにリモコンを投げつけてくる。
また椅子に戻っていったヒョンの背中を眺めた後にテレビを見ると、録画された一覧の画面には「人気歌謡」の文字だけがずらりと並んでいた。
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せの(プロフ) - かりふらわーさん» ありがとうございます!わ〜〜そう言ってもらえるととても嬉しいです!評価まで〜〜!!またお暇なときにでも読んでいただけると嬉しいです! (2019年11月26日 10時) (レス) id: c619cb401b (このIDを非表示/違反報告)
かりふらわー(プロフ) - 更新お疲れさまです!前作の男装生活からずっと読ませて頂いているのですが、セブチの小説を書かれる方の中で一番大好きです…毎回、お話が更新されて読み終える度に星の一番右を押しては「既に投票済みです(無効)」となって虚無ってます… (2019年11月22日 18時) (レス) id: 17042f9c9d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - もさん» 遅くなってすみません!ありがとうございます!次に出す予定だったのがMonstaXが出てくる話だったので炎上の様子見したり、違うのを書いたりしてて浮上するのが遅れちゃいました!もうそろそろまた上げると思うので、その時はまた読んでいただけると嬉しいです! (2019年11月11日 15時) (レス) id: 864812d0e0 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - 知らせてくれるせのさんなのでどうされたのかな?と、、、、、またこの作品を読める日を楽しみにしています!応援してます^ ^ (2019年11月5日 21時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - せのさんこんばんは!いつも作品楽しく読んでます!毎日せのさんの作品を読むために生活しているといっても過言ではないのですが、最近更新が無くて心配しています汗今まであまり更新が空いた事が無かったし、なにか事情があって更新出来ない状況だと (2019年11月5日 21時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せの | 作成日時:2019年10月16日 9時