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溜息を吐き出しながらそう言えば、シュアヒョンがくすくすと小さく笑いながら、勝手に私の日傘の中に入ってくる。
プール特有の匂いに混ざって、シュアヒョンの香水の香りがした。
「だから、外では……」と反論しようと思ったけど、わざとらしい笑顔を向けられると何も言えなくなってしまう。
たしかに周りには木や花の障害物が多いし、私の目から見えるところに窓や部屋も無い。
耳を澄ませたところで、遠くから聞き覚えのある叫び声が聞こえてくるだけだ。
あの人達、まだ遊んでるのかな……
それにしても、二人で日差しから逃げるにはこの傘じゃ小さすぎた。
肩と肩がくっついて、シュアヒョンの体温に変わってしまったプールの水が、私の服に侵略を始めている。
後ろ手にバッグの中からタオルを取り出して、シュアヒョンの頭にかけてあげた。
「ウォヌから聞いたんでしょ、もう一つプールがあるって」
「シュアヒョンがウォヌヒョンに教えたんですか?」
「そうだよ。暇そうなウォヌは、プールに入りたそうにしてたAに話すんだろうなぁって」
「……入りたそうな顔なんてしてませんけど」
「してたよ。実際入ってる」
「足だけじゃないですか」
「突き落してもいいけど?」
横目で見てくるシュアヒョンはなかなかに悪い顔をしていたから、腰を動かして日傘ごと横に逃げる。
「冗談なのに」と何食わぬ顔でもう一度日傘の下に戻って来るけど、シュアヒョンの言うことはいまいち冗談に聞こえないので困ってしまう。
「スンチョラが『Aも入りたいなら入ればいいのに』って」
「水着の私があの場に来たら、クプスヒョンが真っ先に止めそうだけど」
「僕もそう思うよ」
「私にはこれくらいで充分なんです」
「まあ、これはこれで。気持ちいいしね」
シュアヒョンが足を伸ばして水面を押し上げると、ざばりと水が浮き上がる。
細かい水滴がまるでガラスみたいに太陽に反射して光った。
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せの(プロフ) - かりふらわーさん» ありがとうございます!わ〜〜そう言ってもらえるととても嬉しいです!評価まで〜〜!!またお暇なときにでも読んでいただけると嬉しいです! (2019年11月26日 10時) (レス) id: c619cb401b (このIDを非表示/違反報告)
かりふらわー(プロフ) - 更新お疲れさまです!前作の男装生活からずっと読ませて頂いているのですが、セブチの小説を書かれる方の中で一番大好きです…毎回、お話が更新されて読み終える度に星の一番右を押しては「既に投票済みです(無効)」となって虚無ってます… (2019年11月22日 18時) (レス) id: 17042f9c9d (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - もさん» 遅くなってすみません!ありがとうございます!次に出す予定だったのがMonstaXが出てくる話だったので炎上の様子見したり、違うのを書いたりしてて浮上するのが遅れちゃいました!もうそろそろまた上げると思うので、その時はまた読んでいただけると嬉しいです! (2019年11月11日 15時) (レス) id: 864812d0e0 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - 知らせてくれるせのさんなのでどうされたのかな?と、、、、、またこの作品を読める日を楽しみにしています!応援してます^ ^ (2019年11月5日 21時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - せのさんこんばんは!いつも作品楽しく読んでます!毎日せのさんの作品を読むために生活しているといっても過言ではないのですが、最近更新が無くて心配しています汗今まであまり更新が空いた事が無かったし、なにか事情があって更新出来ない状況だと (2019年11月5日 21時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せの | 作成日時:2019年10月16日 9時