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「失礼します」
「副社長!こんにちは」
そのドアを開いて中に入ると、何故か立っていた副社長が自分のデスクの前に椅子を二つ並べ始め、オレ達に座れと目で促す。
ここまで10秒もかかってない。
オレの挨拶もAの挨拶も受け取ることはなくて、その様子はなんだか焦っているように見えた。
今日何度目になるだろう、Aが不思議そうに眉を上げながら椅子に座る。
そして、オレも。
「単刀直入に言う、A」
「私……?」
「ほらな、やっぱりお前じゃん」
「う、うるさいですよ」
言葉を詰まらせるように言ったAの言葉に、副社長はピクリとも表情を崩さない。
元々Aは鳴り物入りでこの会社に入っている。
初期の構想が突然断ち切れた時も、半ば強引なグループ編成も、そしてオレたちと進む決意をした事も、ここ最近増えてきた個人スケジュールも、副社長は誰よりも気に掛けてきた。
この人はこの子の事をまるで娘のように思っているはずだ。
というか、酔っている時はいつも娘なんだと言っている。
それなのに、今日はずっと厳しい顔をしていた。
Aもオレと同様に、その違和感に気付いているらしい。
名指しされた上にこの空気じゃいつもと同じようにはいられなかったようで、Aは少し腰を持ち上げて椅子に浅く座りなおした。
「A、それにスンチョル。今からする話は全部仮定の、構想段階の話で、これが本当になるかはオレにも解らない」
「何の話……?」
「もしそうなった時の為に、覚悟をしてほしいからお前達二人だけに言っておくんだ。他言は無用で」
「兄にもですか?」
「もちろんミニョナにも」
横にいたAがゆっくりとオレに目線を向けた後、副社長へと戻した。
膝に置いてあったAの手を握り、オレも前を向いた。
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せの(プロフ) - ゆーさん» ありがとうございます!昨日ですよね。交通機関が所々麻痺してたのでちゃんと会場に向かえてたらいいんですが……お恵みが欲しいのでプレディス神社にポイを貼りつけようと思います (2019年10月14日 9時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 作者様のファンです。コンサートは外れてしまいましたが、握手会に行きます。作者様の分までメンバーを見てきます。作者様にもセブチからのお恵みがありますよう祈ります。 (2019年10月11日 22時) (レス) id: 4373b2733c (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - konusasanさん» 私も公演中止決定してからツイッター見れなかったです(見た)ありがとうございます、払い戻された金で宝くじ当てて私達も一緒にワルツ回りましょうね…… (2019年10月10日 8時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ゆかりさん» 思い起こせば赤髪のウーさんに「ミンギュwww」って言ってる頃が一番楽しかったですよね。ありがとうございます、わたしたち強く生きましょう…… (2019年10月10日 8時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
konusasan(プロフ) - はじめまして、作者様の大ファンです。私も12日を楽しみに生きてきて、今日ショックで何も手につきませんでした。どうか、作者様に素敵な出来事が沢山起こることを祈っております。辛いことには変わりませんが作者様の心が少しでも軽くなれば幸いです。 (2019年10月10日 2時) (レス) id: 2d5dcafa21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せの | 作成日時:2019年9月30日 10時