２ ページ33
.
ここ最近のAはずっとクプスヒョンと拗れていたけど、仕事中だって練習中だって、二人とも必要な事はお互い話していた。
それどころか真面目な二人がいつもより数段真面目に見えて、だからこそオレ達は何も出来なくて、口を挟むことすら出来なかったのだ。
ただそれも、うちのヒョン達やミニョニヒョン達のおかげでだいぶ関係が改善されているように見える。
だけどまだ前みたいに、素直に元通りとは言えないらしい。
クプスヒョンがAに向ける表情は以前とは少し違って難しいものだし、Aはそんなクプスヒョンと上手く目が合わせられないようだった。
一番距離の近かったクプスヒョンと距離が出来たからと言って、Aがこのグループ内で孤立する訳じゃない。
なのにいつも一人ぼっちのように見えて、それが寂しくて、日本にいる間オレとスングァニはAの隣をなかなか離れられなかった。
まあ、帰国したらあっさりウジヒョンにAを持っていかれたんだけど。
「ヌナ、寒そうだけど大丈夫かな。ボノニ上着でも持って行ってあげたら？」
「うん」
「話が終わったらついでにこっちのバンに乗せて、そのまま出発して貰おう」
「席足りる？」
「クプスヒョンの場所が開いたし」
しれっとそう言ったスングァニの発言に、心の中で「悪い奴め」と批判しながら窓の外を眺める。
上着を脱いで持っていこうと狭い座席から立ち上がった時、マネヒョンから何かを聞かされたAが、呆けたように目を開けた。
小さく動いた口の動きを、オレはうまく捉えられなかった。
Aはまるで不思議なものを見てしまったかのように、呆然と立ち尽くしている。
クプスヒョンが不安気にAを見下ろして手を握った。
顔を上げたAへ動いたヒョンの口の、読めた言葉は「大丈夫か？」という問いかけだった。
反射的に飛び出そうとしたホシヒョンを、シュアヒョンが手で制す。
HS「ヒョン、」
JS「ダメだよ」
HS「でも」
シュアヒョンが首を振るのと同時に、マネヒョンが助手席を開けてドライバーさんに「行ってください」と伝えた。
外にいるAはクプスヒョンの顔をじっと見つめながら、何かを考えているようだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 914人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せの(プロフ) - ゆーさん» ありがとうございます！昨日ですよね。交通機関が所々麻痺してたのでちゃんと会場に向かえてたらいいんですが……お恵みが欲しいのでプレディス神社にポイを貼りつけようと思います (2019年10月14日 9時) (
レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 作者様のファンです。コンサートは外れてしまいましたが、握手会に行きます。作者様の分までメンバーを見てきます。作者様にもセブチからのお恵みがありますよう祈ります。 (2019年10月11日 22時) (レス) id: 4373b2733c (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - konusasanさん» 私も公演中止決定してからツイッター見れなかったです(見た)ありがとうございます、払い戻された金で宝くじ当てて私達も一緒にワルツ回りましょうね…… (2019年10月10日 8時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ゆかりさん» 思い起こせば赤髪のウーさんに「ミンギュｗｗｗ」って言ってる頃が一番楽しかったですよね。ありがとうございます、わたしたち強く生きましょう…… (2019年10月10日 8時) (レス) id: dc29b0018c (このIDを非表示/違反報告)
konusasan(プロフ) - はじめまして、作者様の大ファンです。私も12日を楽しみに生きてきて、今日ショックで何も手につきませんでした。どうか、作者様に素敵な出来事が沢山起こることを祈っております。辛いことには変わりませんが作者様の心が少しでも軽くなれば幸いです。 (2019年10月10日 2時) (レス) id: 2d5dcafa21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2019年9月30日 10時
