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「ソクミナが怖いなら一緒に怖がってあげるよ。抱えてる恐怖心を半分こにするなんて出来ないのかもしれないけど、別々に泣くよりその方がずっと良い」

「……Aは泣いてないじゃん」

「泣いてたよ。ソクミナが手術する前から、私はずっと君の事を考えて泣いてる」





そう言った途端に我慢していた涙がせりあがってくるのを感じて二度瞬きをした。
泣くな泣くな、もう少し耐えてくれ。


ソクミナが私の名前を呼んで「ごめんね」と呟く。





「それは何についてのごめんなの?」

「泣かせてごめん……っていう」

「ソクミナがこれからも一人で抱え込むなら、今度はみんなの前で泣くから」

「それは怖いなぁ」

「お兄ちゃんの前でも泣く」

「オレはどうしてこの状況でAから脅されてるの?」





涙を流しながら笑うソクミナの頬に手を添えて、何度も何度も指で拭う。

実は既にお兄ちゃんやハニちゃんの前では何度か泣いてるけど、それは黙っておいたほうがよさそうだ。





「大丈夫だよ、ソクミナ」

「うん」

「大丈夫じゃなくても、きっと大丈夫になるから」

「うん」

「悪い事は全部後回しにしよう。どうしても考えたいなら、一緒に考えてあげる。何も出てこないかもしれないけど、一人より二人の方が効率良いでしょ?」

「うーん、効率」

「ねえ、ソクミナ。約束してくれる?」

「なにを?」

「怖くなったら、私の事を頼って。私じゃ足りないならハニヒョンでも良いし、ミンギュでもミョンホでも誰でも良いから、絶対に一人で怖がらないで」

「うん」

「まあこの中だったら、私が一番頼りがいがあると思いますけど?」





なかなかにふてぶてしい事を言ってのけると、ようやくソクミナが笑いながら頷いた。

その瞬間に、後ろで泣いていたハニちゃんがわっと飛び込んできて、私ごとソクミナを抱きしめる。


「ぎゃあ!?」と奇声を上げたソクミナを馬鹿と呼び続けるハニちゃんに笑いながら、ぐしゃぐしゃの頭を撫でてあげた。



ソクミナの肩越しに窓を見ると、ぼんやりと世界の色が変化する。

カーテンから朝日がゆっくりと透けて、暗かった部屋の中を明るく照らし始めた。


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せの(プロフ) - 秋 さん» みんな大好き、ギュブ! (2019年9月28日 9時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
秋  - ギュブ待ってました! (2019年9月27日 17時) (レス) id: bf883f9ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せの | 作成日時:2019年9月9日 10時

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