ファン家のマンネは紅一点３ (ページ14)

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14少年少女漂流記⑦廃校ページ14

A視点

庭で横並びをしている時に、一泊二日の労働(多分)を終えて戻ってきたシュアヒョンの隣に立つと、「どうしたの？」と微笑みながら返された。

この人は案外どこに居ても、何をしても、いつでも普段とそんなに変わらない。

ヨソ島に来て日に日に皆やつれていくけど、この人だけはたいした変化も無かった。さすがシュアヒョン。

__「おかえりなさい。楽しかったみたいで良かった」

JS「そうだA、ハニが拗ねてたよ」

__「なんで？」

JS「怒るかと思ったのに、逆に労われちゃったからじゃない？」

__「ああ、チキンの時の……」

JS「あれからブツブツ言ってた」

__「どんな事をですか」

JS「船酔い再発させてでも、Aを連れて来てあげたらよかったって」

__「あっち、そんなに天国だったの？」

そう笑ったシュアヒョンの顔を見れば答えを聞かなくてもわかる。さぞかし楽しかったらしい。

あっちでは好きなものを食べて、テレビもあって、部屋も広くて、と話しを続けていくので「こっちだってミンギュのご飯は美味しかったよ」と返せば鼻で笑われてしまった。

く、くそう……

精神的に見下ろしてくるシュアヒョンに精一杯の呆れた顔を返すと、監督さんが「インタビューするから来て」と私を呼んだ。

女性のスタッフさんから引きずられるように宿舎の外まで出ると、そのまま何人かを引き連れて暗い夜道を歩き出す。

「あの、インタビューは？」

『今から新しい企画が始まるから』

「企画……？」

『A、怖いものは平気？』

「いや、全然ダメですけど？」

『そっかぁ……』

私の手を引いて歩くスタッフさんが「ごめんねぇ……」と、若干困ったような微笑みを私に向けた。

その瞬間に不穏な気配を察知して、囲んでいるカメラさんや音声さんを見るけど首を振られてしまう。

「な、なにを……？」

『もう少し歩くと廃校があるんだけど、』

「い、いやです！！」

『あ、違うの。Aが探索するわけじゃなくてね』

「良かった……」

『Aは景品と一緒に、みんなを待つ役をやってもらおうかなって』

スタッフさんの言葉を上手く飲み込めず、頭の中にハテナマークをたくさん浮かべていると、とうとう目の前に真っ暗な廃校が現れてしまった。

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