ファン家のマンネは紅一点３ (ページ12)

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14少年少女漂流記⑥チキンページ12

A視点

ミョンホが体調を崩して一日休んでいたけど、思ったよりは良くならなかった。

クプスヒョンと二人で監督さんに相談しに行くと、明日病院に連れて行ってくれると言う。

「あの監督さんも人の心があったんだね」と話しながらミョンホの生存セットを纏めていると、庭の方がいきなり慌ただしくなった。

SC「なんだ……？」

__「誰か怒ってません？」

SC「見てくる」

立ち上がり、小走りで庭に向かうヒョンを見送って、薄く目を開いたミョンホの顔を覗く。

顔色は悪いし、なにより怠そうだ。

日に日にみんな疲弊してるけど、ミョンホは群を抜いてる。
風邪くらいでおさまってくれると良いんだけど……

MH「何かあったの」

__「多分。ミョンホは寝てていいよ」

MH「ん、そうする」

__「こっちの部屋はカメラの電源落としてくれたし、今日は気にしないで眠れるよ」

MH「そっかぁ」

布団を口元まで引っ張っていったミョンホが、弱ったように眉を下げて私を見上げる。

MH「A、ごめんね」

__「なにが？」

MH「こうなっちゃって」

__「お互い様だし、誰もミョンホを悪く思ってないよ」

MH「うん」

__「むしろ、クプスヒョンはスタッフさんに少し怒ってたし。表には出してないけど」

MH「ああ、ヒョン……」

__「私達、ここまで過酷な旅になるとは思ってなかったもんね」

そうやって笑うと、ようやくミョンホも笑顔を見せてくれる。

そのままくしゃりと頭を撫でれば、部屋の扉が勢いよく開いた。

__「わっ……ヒョン？」

扉を開けたのは、今さっき出ていったはずのクプスヒョンだ。

たださっきと違ってやたらと表情が険しい。

MH「どうしたの、ヒョン」

SC「……ジョンハニ達から電話」

__「電話？」

SC「ミョンホは寝てていいから、Aは皆のとこ行ってきて」

そう言ったクプスヒョンが大きなため息を吐き出して、呆れたような声で「まったく……」と呟いた。

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