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MH「オレもよく色んな人から『なんでAにちょっかい出すのか』って聞かれるよ。同業の人にも」
KH「単純に面白いんだよな。オレ達のグループって一人っ子か男兄弟しかいないし、反抗期の妹が皆ああなのかは知らないけど」
MH「あとさ、話すきっかけになったあの時が未だに可哀想で」
KH「そこだよな」
HW「誰が可哀想って？A？」
MH「ほら、かなり前にコラボステージやったじゃん、２グループで。それで、Aがこっちの楽屋に来た時あったでしょ？」
HW「……そんな事あった？」
KH「お前は寝てた」
HW「なるほど」
ヒョンウォンは『どうりで覚えてないわけだ』と納得しながら、もう一度コーンを掬って口元へ運ぶ。
Aの何がどう可哀想なのかという問いが無数に投げられる。
それを見たミニョクが、キッチン台に手をついて頷きながら、その日の事を思い出すように天井に目を向けた。
MH「デビューした年にMAMAでコラボしたじゃん。あっちは衣装が制服で、確か赤系の……ハニとAが同じチェックのブレザーで、お揃いだかなんだか言ってた」
HW「お前記憶力良いよな」
KH「あの時練習は各々グループで……大掛かりな構成でも無かったし、リハーサルも一回やっただけだったろ？」
MH「それは覚えてる？」
HW「まあ、かすかに」
MH「それで、リハーサルが終わった後に来たんだよ。Aが一人で、オレ達の楽屋に」
HW「一人で？」
KH「そう。いつも誰かと一緒にいるようにしてるのに、わざわざ一人で」
その言葉にヒョンウォンが片方の眉を不審そうに吊り上げた。
誰だってAの周りが厳重に固められているのを知っている。外から見るより、思っていたよりも強固に。
勿論メンバーからもあるが、会社からも、スタッフからもいつも守られている。
そしてAはそこから逃げ出すようなタイプではない。
今でこそ会えば一言二言喋るようになったけど、今も昔も性格自体はさほど変わっていないように見える。
そのAが、わざわざ一人でこっちの楽屋へ？
ヒョンウォンのその考えを、ミニョクが読み取るようにして話す。
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作者名：せの
| 作成日時：2019年8月22日 10時
