AsiaArtistAwards2018 ページ34
●A視点
あと2つのグループ終われば今度は私たちのステージが始まる。
ちらっとタイムテーブルと時計を見比べれば、まだ20分以上余裕があった。
ツイードジャケットの襟を整えて、舞台袖からステージ上を眺めていると、ホシヒョンがイヤモニを調整しながら隣に立つ。
「Aってさ、」
「はい?」
「あそこのグループ知ってる?」
「どこです?」
「ほら、あのテーブルの……二つ目のとこ」
そう言いながら、ステージ際のアーティスト待機席を指で差す。
喋ったことは無いけど、カムバで一度だけ重なったことのある新人グループだ。
「知ってますよ。挨拶に来てくれたじゃないですか」
「うん。じゃああっち」
「私達より二年先輩ですね」
「その隣」
「可愛い系で売ってる」
「後ろは?」
やたらと尋ねてくるホシヒョンの問いかけに答えていると、後ろから「うるさい」と声が聞こえてきた。
二人で同時に振り向くと、シャツのボタンを一つ開けながら、ウジヒョンが不機嫌そうに顔を曲げている。
HS「うるさいの?」
WZ「違う、お前の事を『うるさい』って言ったんだ」
HS「……」
__「どうするんですか、ウジヒョン。もうすぐステージなのにホシヒョンが目に見えて落ち込んじゃったじゃないですか」
WZ「知らん」
HS「……」
__「ホシヒョン……」
WZ「結局ホシはAに何を聞きたいんだよ」
他グループと積極的に交友を広げない私にそんなことを聞いて、いったいホシヒョンに何の意味があるんだろうとは思っていた。
どうせならミンギュに聞く方が話が弾むんじゃないかと姿を探すけど、どこに行ったのか行方不明だ。
大方スングァニやスンチョリヒョン達と一緒になって、受賞時に何を話せばいいのか作戦会議でもしているんだろう。
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作者名:せの | 作成日時:2019年8月22日 10時