ファン家のマンネは紅一点

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楽しそうに口角を上げたヒョンウォンさんが、私に持たせたスナック菓子の袋に手を突っ込む。

取りやすい方に位置をずらしてあげると、シュアヒョンに目線をやって「ほらな？」と頷いた。





HW「で、理由は？」

＿「うちの会社の偉い人から『同期とは仲良くしなさい』って二時間かけて口説かれたのが一番の原因です」

JS「誰？副社長？」

＿「うん。『全部とは仲良くならなくていいから、せめて1グループだけでも』って」

JS「へえ、まあいないよりはいた方がいいよね」

HW「なるほど、それで軟化したって事かぁ」





どこのグループとも架け橋が無いというのは、それはそれで面白みがないらしい。


副社長の椅子に長々と座らされた後に「女の子のグループじゃダメなんですか？」と聞いたけど「それはそれで面倒だぞ」と返されてしまった。

どっちにしろ面倒だと思うけど、上の人にはある程度従うべきだ。


途中でやってきスンチョリヒョンと副社長と三人で協議をした結果、隣に立っているお兄さんの所属するグループに白羽の矢が立った。

というか、選択肢はほとんど無かったように思うけど。





＿「ヒョンウォンさんがさっき自分で言ったじゃないですか、メンバー同士が仲良くて、仕事も一緒になる時が多いって」

HW「言った言った」

JS「そうだね」

__「そう考えると……別に副社長に何も言われなくても、ある程度の関係は築いたと思いますよ。スンチョリヒョンもそこなら良いって言ってたし」

HW「許可制？」

__「うちとコンセプトも違うし、ファン層も被ってなさそうだし、年も上だから安心だって」

HW「安心ねぇ」





そう頷いたヒョンウォンさんを眺めていると、少し面白くなさそうな顔をした。

思いも寄らず「がっかりした」と言われてしまう。


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