しもやけ [HS] (ページ24)

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「Aちゃん、」

俯いて、涙ばかりを流している私の頬に手を添え、目が合うように上へと向けたホソクくん。
彼はふぅ、と一息つくと優しい目付きで私を見つめた。

「Aちゃんは綺麗だよ。外見的な事もそうだけど、
それ以上に。知り合ってから見えてきた一つ一つの仕草とか、人への感情の表し方とか。そういう所がすごく魅力的なんだ。」

それに、と言葉を続けながら、彼は私の手を取った。

「釣り合う、釣り合わないとか、Aちゃんが今どんな事を思ってるのか、僕にはよく分からないけど、

ただ無条件に君の事が好きなんだ。

周りの反応とか、そういうのって気にしなきゃダメかな？
誰かの好き、っていうその感情は簡単に誰かに否定されていいものなんかじゃないよ。」

「っ、」

1度私の視線を捕まえた彼の瞳はそのまま離してくれない。

「僕は他の誰でもないAちゃんが好きだよ。周りじゃなくて、…Aちゃん自身は僕のこと、どう思ってる？」

そう言われると、息が詰まった。

好き、その一択しか浮かばないのだ。

こんなに大きな溝があるのに彼は私の所に飛び込んできてくれた。
それは、溝が見えなかったのでは無く、始めから同じ目線で同じように、彼が私のそばに歩み寄ってくれていたからなのかもしれない。

そう思うとぎゅっと胸が締め付けられる。

こんな、こんな私でも。彼に歩み寄れるだろうか。

私にも、この大きな溝を飛び越えられるだろうか。