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「シュウ、明日お仕事行く日でしょ?」
「あぁ、そうだよ。どうかしたか?」
朝食を済ませ、食器を一緒に片付けながらAが尋ねる。
「おにぎりとか、お弁当?つくってもいい?本に載ってたの。食べれる?」
「ありがとう。Aが作りたいなら嬉しいよ、だが無理はしなくていいぞ」
「うん、はじめてだから失敗するかもしれないし‥上手にできたらあげるね」
それから、Aは本と冷蔵庫の中身とをにらめっこをして、紙にメモを取ってから買い物の準備をはじめる。
「シュウ、お買い物行きたい」
「あぁ、いいよ。ちょうど切らしてる食材もあるな」
「うん、シュウのコーヒーも少ないみたい」
「そうだったか、ありがとう」
「ふふ、えらい?」
「さすがだよ、A」
頭を撫でるとぴこぴこと耳が跳ねる。準備してくる、とクローゼットへ走りお気に入りのバケットハットとポシェットを身につけて戻ってきた。差し出された左手と優しく手を繋ぐ。
「行こうか」
◇
買い物先は交通手段も含め、いつも変えるようにしていた。今日は天気が良いからと少し大きな公園を通ることにした。
「お花も咲いてきれいだねぇ」
花壇を眺めながら、赤井はゆっくりと歩く。Aは少し早足で歩こうとする。
「そうだな。A、ゆっくり歩いていいんだよ、俺が合わせるから」
「ん、シュウの足が長いから、置いてかれそうで‥」
「置いていかないさ、手だって繋いでる。それより転んだら大変だぞ」
「‥‥わかった、ありがとう」
Aははにかむようにして笑う。
「池の方見てもいい?」
「あぁ、いいよ」
散策が楽しくなってきたようで、Aは赤井の手を引っ張るように歩き出した。
「あ、なんか跳ねたよっ」
跳ねた魚をみようと、Aが繋いでいた赤井の手を解いて数歩先へ駆け出したときだった。ゆっくりスケートボードを滑らせていた男が急に加速し赤井とAの間を通り抜ける。
「いやぁ!!」
「大人しくしろ!」
Aは男に抱え上げられ、桃色のハットが宙に舞った。
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雫 - 気長に待っています。 風邪引かないようにしてくださいね。 (3月22日 22時) (レス) @page22 id: d6bc443752 (このIDを非表示/違反報告)
みにo(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます(*´꒳`*)♡うれしいです〜!♡ (3月20日 22時) (レス) id: 36c68c6318 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 続き待ってます! (3月18日 13時) (レス) @page22 id: 4c62b98933 (このIDを非表示/違反報告)
みにo(プロフ) - あやなみ。さん» こんにちは(о´∀`о)コメントありがとうございます‥!♡読んでくださってうれしいです!ボード‥がよくわかっていなくてどうしたらいいものか‥💦すみません‥(゜□゜;)ありがとうございます✨♡ (3月13日 23時) (レス) id: 36c68c6318 (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - みにoさん» こんにちは!とても面白いです、もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます☺️ (3月12日 21時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みにo | 作成日時:2023年11月12日 0時