検索窓
今日:46 hit、昨日:69 hit、合計:20,635 hit

10 ページ11

「ごはんおいしかった、ありがとうライ」
「気に入ったならよかったよ」
「メニュー?みるだけですっごくたのしかった!」

家に戻り、赤井は買ってきたやわらかいみどり色のマグと橙色のマグを洗い、橙色にはブラックコーヒーをみどり色のマグにはミルクを淹れる。
Aは赤井との夕食がよほど楽しかったのか、耳と尻尾をピンと立てながら先程のお子様ランチの味を熱心に語っていた。



寝室にはシングルのベッドが2つ入っていた。赤井はAに好きな方を選ばせ、窓側のベッドにくまのぬいぐるみを運んだ。
風呂を済ませたあとAは、そわそわと家の中を歩き回ったり、PCで仕事をする赤井の隣に座りテレビを観てみたりしていたが、21時をすぎた頃にはリビングのソファで船を漕ぐようになったので、赤井はAにベッドに行くよう促した。

「‥ん、ライはまだ寝ないの?」
目を擦りながらAは赤井の服の裾を掴む。
「そうだな‥もう少し仕事をしてからかな」
「そっか、おやすみなさい‥」
「あぁ、1人で大丈夫か?」
「‥うん、くまがいるから大丈夫」
「良い子だ、おやすみ」
赤井はAの頭を抱えるように手を添え、額におやすみのキスを贈った。



いくつかの作業を終えて、赤井が寝室へ向かうと、窓側のベッドの上で布団が小さく丸まっていた。

「ぅ‥、や、やめて‥」
「A‥?」
近付くとうなされるような声が聞こえ、赤井は丸まった布団をそっと端からめくりAの様子を確認する。眠るAは布団の中で小さな身体をさらに小さく丸め、尻尾を抱くようにして肩で息をし震えていた。
赤井はメールで同僚から送られてきていたAに関する報告書の内容から、この小さな仔猫を脅かしているであろう数々の記憶と先程Aを1人で寝室へ向かわせた自らへ苛立ちを覚え、ぐっと拳を握った。

「大丈夫だ、もう怖いことはないよ」
ベッドに腰掛け、琥珀色の髪を優しく撫でる。苦しそうな顔がいくらか和らいだ。Aの呼吸が整い、すーと寝息をたてるようになるまで赤井はAの側でそれを続けていた。

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
222人がお気に入り
設定タグ:赤井秀一 , 名探偵コナン , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 気長に待っています。 風邪引かないようにしてくださいね。 (3月22日 22時) (レス) @page22 id: d6bc443752 (このIDを非表示/違反報告)
みにo(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます(*´꒳`*)♡うれしいです〜!♡ (3月20日 22時) (レス) id: 36c68c6318 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き待ってます! (3月18日 13時) (レス) @page22 id: 4c62b98933 (このIDを非表示/違反報告)
みにo(プロフ) - あやなみ。さん» こんにちは(о´∀`о)コメントありがとうございます‥!♡読んでくださってうれしいです!ボード‥がよくわかっていなくてどうしたらいいものか‥💦すみません‥(゜□゜;)ありがとうございます✨♡ (3月13日 23時) (レス) id: 36c68c6318 (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - みにoさん» こんにちは!とても面白いです、もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます☺️ (3月12日 21時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みにo | 作成日時:2023年11月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。