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「Aさん髪の毛切っちゃったんだね」

移動中のタクシーで隣に座った目黒くんは私の髪の毛先を長い指でサラサラと撫でる。

「もうあったかくなるからね」
「俺も切ろうかな〜」
「そのテクノカット、似合ってるけどね」
「マジ?もう一生この髪型でいよ」
「いや極端」
「Aさんが良いって言ってくれたものはなるべく良い状態保っておきたいじゃん」
「本当すごいわ」
「ありがと」
「褒めてない」


こんなにも塩対応なのに何故彼が私を好きと言うかが分からなかった。

初対面の時も、突然「ヒトメボレしたっす」と言ったし、私のどこがそんなに良いの?と聞いてもはぐらかすだけだし。


「今日も好きだわ」


ご飯屋さんで対面で座ってる時もストレートに言ってくる。


「いつになったら俺と付き合う?」
「付き合わないよ」
「でも彼氏いないっしょ」
「いないけど」
「俺、これからデビューだし会えない時間も増えると思う。でも絶対幸せにする。」
「だから〜私は目黒のことそういう対象で見てないし、ましては事務所のタレントとなんて上層部にバレたらクビだよ私。」
「そしたら俺と結婚しよう?」
「は?」
「ずっと一緒にいよう?」


最近はストレート過ぎるのか周り回ってややメンヘラっぽくもなってきたので困りものだ。



【急募】目黒のしつこい誘いから断る方法を持っている人。

ーと、求人を出したいくらい。

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作者名:ひまじん | 作成日時:2020年3月22日 8時

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