不良な君と真面目な僕【学パロ】

【番外編】世界で一番の ページ21

「カンター！今日は何すんのー？」
　
　
「今日はメントスコーラしようと思ってるけど」
「また!?」
　
「でも他とは一味違うよ」
「その名も体内メントスコーラ！」
　
「危なくね？」
「まぁ、やり過ぎないようにしよう…」
　
　
　
　
「はいどうもー！水溜りボンドですー！」
　
元気な声が部屋に響く。

　
「見てくださいこれ」
俺はコーラのラベルをカメラに向けた。

「世界で一番の仲間」
コーラのラベルにはそう書いてある。
トミーの方を見るとキョトンとした顔で頭の上にはてなマークを作っていた。
　
　
　


「カンタはさ、世界で一番の仲間誰だと思ってんの？」
　
唐突にそう聞かれて驚いた。

　
トミーは少しニヤついていた。

(いじわるだなぁ…)
俺が思いついた答えと、お前の求めてる答えはすぐに分かった。
　
「それはさぁ、沢山いるよ」
そう言って誤魔化してみる。
　
けど、トミーは納得しなかった。
　
(あぁ、もう分かったよ…)
　
　
　

「トミー…」
　
(めっちゃ恥しいじゃん…)
顔がどんどん熱くなる。
　
トミーは満足げにイヒヒっと笑っている。

　
そして今日も無事に動画を撮り終えた。
　
　
そうだよ、紛れもなくお前は世界で一番の仲間だよ。でもきっとそれだけじゃない。

　
　
大学入学して1年半が過ぎ、2年の1月1日から俺らは動画投稿を始めた。
　
これがあの時自分がトミーに言おうとしてた事だ。
　
少し断られるか心配だったけれど、喜んでオーケーしてくれた。
　
あれから俺らは毎日動画を投稿している。
ファンの方も沢山居てくれて本当にありがたいと思う。
　
最近視聴者の方に言われて気づいたことがある。
コンビ名の【水溜りボンド】あまり深く考えずに、それぞれ単語を出し合って決めたコンビ名。
けど俺が考えた【ボンド】には英語で絆や契、結束という意味がある。
　
偶然だけど、運命なのかなぁとか思ってしまう。


　
大学に入って、動画投稿し始めて大変な事もたくさんあった、けれどトミーとなら乗り越えてこられた。
これからもトミーと一緒ならきっと大丈夫だ。
俺たちを支えてくれる大事な後輩も沢山いる。

　


　
「トミー」
　
そう言って俺はトミーの目を見つめた。
何も言わなくても伝えたい事全部が伝わる、そんな気がした。

　
「分かってるよ」
トミーが笑った。とても幸せな空間。
思わず嬉しくなって自分も笑みがこぼれた。


　
　
　
　
　
　
君は世界で一番の…
　

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