ずっとそばで.....@2 (ページ4)

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気分【山田健人】ページ4

Aside

私の彼氏は気分屋。

私も気分屋。

会いたいと思うのもたまに。

どこか出掛けたいと思うのもたまに。

でも、意見が一緒になったことは

一度もない。

私が会いたいと思うときは

健人は、東京か賞レース前。

健人が会いたいって思うときは

私が、出張か大事な会議の前日。

最初の頃は

『価値観が違うからしゃあない。』

そう思ってたけど、

４年付き合ってても

未だに意見が合うことなんてない。

きっとたまたまやろうけど。

ここまで違うと、

健人が仕組んでるのか。と

疑ってしまう。

ほんとは別れたいのか。とか。

(ガチャ)

玄関のドアが開いた音がした。

合鍵を持ってるのは.....

急いで玄関に向かうと、

ケーキの箱を持った健人。

怖い。

いつもは自分から甘いもの

買わへんのに。

何があるかわからんくて、

なんて声かけたらいいかわからんかった。

｢愛しの彼氏が来たのに、無言？(笑)｣

『愛しのとか自分で言うな。アホ。』

｢アホって(笑)｣

『何のケーキ？』

｢Aの好きなショートケーキ｣

『なんなん？なんか怖いで？』

｢なんでや！親切心で買って来たったのに！｣

『その親切心が怖いねん。』

『なんか言いたいことあんねやったら言って』

ケーキ食べてる時に別れ切り出されんのが

怖くて。

｢ん～。洲崎が結婚してん｣

『知ってる。電話来た。』

幼なじみの貴郁から

電話で結婚の報告を受けた。

素直に嬉しかった。

貴郁は無理やと思ってたから(笑)

『それがどうしたん？』

｢だからそろそろかな？って。｣

『何が？』

健人が何を言いたいか分かった。

でも、健人から聞きたい。

普段、好き。でさえも言ってくれんから。

｢その～。結婚//｣

『ほんまに？』

｢だって最近なかなか会えへんかったし。｣

『私でいいの？』

｢Aがいいの。｣

『気分で言ったとか無しな？』

｢気分でオッケイしたとか無しな？｣

『ちゃんとプロポーズして。』

｢えぇ～。恥ずい。｣

『貴郁と一緒やんか。それに、一生に一度やねんで？』

｢あ～。わかったよ。｣

｢A。俺と結婚してください。｣

Fin