げいひめ２。

02 ページ8

＊





「まあ、童顔やからでしょ普通に」

「結局それかい」



タバコの煙を吐きながら妖艶に口角を少し上げて



「ええやん、イケメンイケメン」

「おい、馬鹿にしてるやろ」

「ふふ、バレた」

「隠す気ないがな」



今度は子どもみたいにケラケラ笑う。




「お前に童顔言われたないけどな」

「ちゃう！私のはベビーフェイスやから！」

「なにがちゃうねん」

「顔これ身長これで、この乳！はい無敵〜」

「それやめんかい」




自分の胸を鷲掴んでゆさゆさ揺らす。

こいつのこの動き、何万回見てんねやろ。





「ゆず兄も自分の童顔嫌いちゃうでしょ」

「まあ、稲田の横おって映えるからなあ」

「私もゆず兄の童顔好きやもん」

「お、おお、なんや急に」

「ふふ、照れた」

「なんやねんお前」

「可愛いお顔で照れとる照れとる〜」

「だあっ！！ベタベタしてくんな！」




ツンツンと頬をつついてくるから

その手を弾き返してやる。




「ひどぉ、、ゆず兄と久々のイチャイチャやのにぃ」

「いつもイチャイチャしてるみたいに言うな！」

「いやいつもはもっとベチャベチャしてるやん？」

「なんの擬音やねん、きっしょいのお」

「え？！そんなん言わす？！ここで？！」

「俺とお前がいつそんな音出してん！」




こいつのボケにいちいち全力で突っ込んでたら

ほんまに体力持たへんねんて。


本人はすごく満足らしく、笑いながら酒を煽ってる。


誰よりも芸人らしいわ、ほんま。








「あとねえ〜八重歯も好き、そこはベタに」

「もうええねん」

「ニカって笑ったら見えるんが好き〜」

「もうわかったからええて」

「、、どう？好きって言われてどんな気持ち？」

「うざっ、なんやお前」




ふふ、と笑ったかと思うと急にキリッとして。


コロコロ変わる顔は、忙しなくて目離されへん。





「好き、ってこういうことやんなあ？」

「いやほんまわからん、なに言うてんの？」

「私の中の好きはさ、こういうことやん？」

「なに？お前今誰と話してんの？」





全く検討もつかない脈絡に、

またふざけてるんかと思って顔を見ると


相変わらずキリッとしてる。





「え？なに？…本気のはなし？」

「最近のAちゃんのお悩みなんすわ」

「Aちゃんも悩むことあんのかいな」

「ちゃんと『こいつヤっていけるか？』って悩んでるわ」

「悩みの例えがクソやねん、だから」

03→←01 身長。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す