げいひめ２。

01 身長。 ページ7

＊





「、、ゆず兄ってやっぱ顔と身長合ってないですよね」

「急になんやねん」



突拍子もない会話を急に振る悪い癖を待つ女に

今日も振り回される。







_____身長。








「いやずっと思ってたんすけど」

「なんで今やねん」

「いやだから、ずっと思ってたんすけど」

「いやなんでここで言うねん」





劇場出番寸前のタイミングで、

不思議そうな顔して見上げてくる。

なんやねんその顔。

こっちの顔やろ、それは。





「いや、そのスーツ似合ってんなあおもて」

「顔とは合ってへんってことか」

「いやちゃうくて」

「なんやねん」

「、、もー！なんや！うっさ！」

「いやお前がな？！」



なんてやりとりをしていると、出囃子が鳴る。


睨みつけながら、拍手の中へと走った。


出番前にもやっとさせんなよ、なんやねん。












「で、なんやねん」

「え？！まだ言うてくる？！」

「いやお前が言い出してんやろ」

「もー、、」

「もーちゃうねん」



仕事も終えて、

スタッフTシャツから普段着に着替えたAに

待ってましたと質問を投げつける。





「待ち伏せてまで聞くことちゃいますて」

「いやあのタイミングで言われたらそら気になるやろ」



俺の態度にやれやれ、という反応。

いやほんまにこっちの台詞な？







「お前真っ直ぐ帰んのか？なんか用あんの？」

「素直に飲みに行こって言ったらいいやないすか」

「なんや腹立つなその顔」

「ゆずたん照れ屋たんなんだからあ」

「やかましいわ」




毎度の絡みを終えると、にししと笑って

慣れた手つきで腕を絡めてきて




「高くて美味しいもんがええな〜」

「、、何系がええねん」

「魚！」

「ほなあこ行くか」

「行こ行こ、はよいこ」



結局腕を引かれるがまま、馴染みの店を目指す。


まあ、実際のとこ

Aと２人で飲みたかったんはほんまやから。













「ほんで、なんで身長と顔合ってへんねん」

「うーわ、まだ気にしてるわこの人」

「気になるやろ、そんなもん」



2杯目のジョッキがもうすぐ空くタイミングで

再度投げかけてみる。



「いや、言われません？思ったよりでかいなって」

「よー言われるけど」

「ほんならもうそれ答えやん」

「どういうことやねん」



確かによく言われるけど、

全然納得でけへんねんけど。

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