げいひめ２。

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＊




自分の家に帰るタクシーで、

こんなウキウキするん初めてやわ。



早々と帰る準備してる俺に、訝しげな顔して


「え？なんなん？どっか行くん？」


って聞いてきた水田に「家帰るだけ」って言ったら

わけわからんって顔してたもんなあ。



俺、かなり浮かれてもうてるらしい。




そんな気持ちを自覚しながら、

いつもより軽い我が家の玄関を開ける。









「おっ！おかえりなさーい」

賢「、、ただいま」



リビングで三角座りしながらテレビを見るA。

俺に気づくとニカっと笑って。



「至れり尽くせりがすぎるお泊まりセット、ありがとうございまーす」

賢「いえいえ、どういたしまして」



俺が準備しといたパジャマ着て、

風呂上がりなのか、昼よりあっさりした顔してる。



「これ常備してるんはえろすぎますて」



ふわふわの女性用パジャマを見せ付けるように、

ニヤニヤ笑いながらクルッと回ってみせる。



「どんなけ女連れ込んでるのやら〜」


さっきの劇場の後輩みたいな下世話なニヤケ顔で

そんなことを言うてくるから。




賢「それサラやで」

「へ？」

賢「それA用にわざわざ買うてんけど」

「、、まじか」

賢「着心地はどないですか？」

「、、すんません。最高です」

賢「ふふ。そらよかったわ。

いつでも来てもらえるよう置いとかななあ」




また変な顔をしてる頭をくしゃくしゃ撫で回す。

そしたら「、、うぐっ」ってまた変な声出すのが可愛い。












全録のテレビの前に並ぶのは、

好きに選んだウーバーのあれこれと、大量のお酒。


そしてそれ片手に、ソファでゆっくりくつろぐ俺ら。




「、、ふふ。昴生頑張ってる」

「おー、ええテロップもろてるやん森田」

「けんしろさん、このフレーズよお出ましたねー」



ほんまにお笑い好きなんやなあってわかるほど

シーンごとにボソボソなんかコメント添えつつ

熱中して見続けてるから、思わず微笑んでしまう。




、、なんてほっこりしてるフリしてるけど。


ソファの角にもたれる俺に全体重を預けながら、

俺の左腕を抱きしめるような体勢してんのはなんでなん？



ずっとお胸が当たってる、というより

もはや挟まれてるんやんか。


左肩にコテンて頭載せてくれんのはかわええねんけど、

その腕抱きしめて落ち着くのだけやめてもらえる、、？



、、とかって振り解かん俺も俺やねんけど。

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