げいひめ２。

01 別離。 ページ15

＊



「うぉっ！」

リ「、、、」

「え、なに、急に」

リ「、、、チャージ中」

「は？」






_____別離。






みんなに「寂しいやろ」とか、

「A泣くんちゃうん？」とか、

「兄さんらおらんくなったら俺が代わりに！」とか



なんやかんや言われましたが、

特に変わりなくやっております。






同期の見取り図が東京所属になってはや数ヶ月。


卒業公演なんて盛大にやったものの、

ほとんど変わらず週末出番のためにやってくる。


なんか変わった？これ。







そう思っていたものの、さすがの売れっ子芸人。

気づけばだんだんと、

見取り図のマンゲキ出番の回数も減っていった。




「お、」



朝の日課の出番表の確認をすると、思わず声が出た。

久々に見取り図が来るらしい。




河「Aさん、見取り図さんに会えるっすね」

「んー、、せやなあ」

河「感動の再会ですね」

「ほんまやな、嬉しくて濡れてまうかもしれんわ」

河「いや返しがゲスすぎるわ」



なぜか私以上にニコニコの河野が、呆れ顔に変わる。




「いうても3週間ぶりとかやん」

河「いや毎日会ってたのに比べたら空いた方ですよ」

「まあ…たしかに」

河「『会いたかった〜』ってハグでもしたら喜びはるんちゃいます？」

「サービス料かかるけど大丈夫？」

河「なに？風 俗の人なん？」

「ふふ」




笑う私に、やれやれとため息をつく後輩。




河「でもほんま忙しなりはったすもんね」

「せやなあ」

河「東京いって羽ばたいてはるし」

「な」

河「Aさんはほんまに寂しないんすか？」



にやり、と笑いながら顔を覗き込んでくる、

そんな生意気な後輩に腹が立ったから



チュッ




河「いやなにしてんねん！！！！」




ちゅーしたった。



「いや、顔めっちゃ腹たったから」

河「理由めちゃくちゃやな、ほんま！！」

「腹立つついでに舌いれたろか？」

河「おい！やめろ！！！離せて！！！！！！」





楽屋のど真ん中で繰り広げるいつものノリに

「河野さん襲われてるわ」なんて笑い声が聞こえる。



河野の顔を掴んで逃げられへんようにして

唇を近づけてると、ぬっと影がかかる。








盛「お前ほんまそのうち訴えられるで？」

「おお、」

盛「なんやえらい久々な感じするわ」




デカ男の登場に少しひるむ。

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