げいひめ２。

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撮影終わりで速攻飛び乗った最終の新幹線。


新大阪からのタクシーの中でLINEを送っても、

既読がつかなくて。



もしかしたらおらんかもしれんし、

もしかしたら他の男んとこ行ってるかもしれんし。

こんなけ急いで帰っても無駄かもしれん。




一縷の望みを込めて、玄関の扉を開くと

見慣れた小汚いスニーカーが散らかっていて、

自分の口元が一気にゆるむのがわかった。



日頃自分の家からはしない、タバコの香り。

あと勝手にシャワー浴びたんやろな、

シャンプーの匂い。







「、、、ふはっ。かわい」





ベッドの上で布団を抱えて丸まってる。

風呂上がりに選んだのは

俺が脱ぎ捨ててた寝巻のスウェットらしい。




「疲れぶっ飛ぶわ、こんなん」



ベッド脇に腰かけると、すぅすぅと聞こえる寝息。

下がることのない口角をそのままに、

寝息の元へとキスを落として。





「、、、ほんまに帰ってきてるやん」

「絶対帰る言うたやろ」



起こしてしまったという気持ちと、

起きてくれたという気持ち。

軽いキスやったのに、目を開いてくれて。




「ん〜、、、おかえり」

「、、ただいま」



軽く伸びをしたかと思うと、

帰りを迎えられて、妙に恥ずかしくて少し照れる。





「めっちゃ寝たわ」

「そらよかったな」

「このベッド、リリーの匂いすごい」

「、、俺ん家やからな」





それはどういう意味？

俺の匂いやからめっちゃ寝れた、って解釈で合ってる？

、、、うぬぼれてもいいん？



ちょっとずつ、Aの心に浸食していって

いつか俺しか見れんようにする計画。


時間かかる？手間かかる？

上等やわ、何年待ったと思っとるん。







「待たせたな」

「え、きっしょい始め方」

「ふはっ、確かにな」




ギシッとベッドが軋む音をゴングに再度唇を重ねて。


俺の匂いに包まれて、俺のを受け入れて。


もうええやん、

逃げられへんから

逃がさへんから

そろそろあきらめてくれん？












情事後の布団の中で、




「このためだけに帰ってきたん？」

「まあせやな」

「、、すっごいな」

「愛感じたやろ？」

「いや、恐怖を感じた」

「ふはっ、なんでよ」

「生理周期把握されてるんもこわいし」

「こんだけヤ ってたら覚えるやろ」

「いやわからんわからん」

「欲求不満落ち着いた？」

「それは、まあ、、」

「帰ってきた甲斐あったわ」

「、、変な奴」

「愛しとるからな」

「はいはい」

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