げいひめ。 (ページ5)

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「…はあ？なにがよ、意味わからんねけど」

盛「そんなんなってんのに、なんで言わんねん」

「そんなんってどんなんやねん」

盛「飯も食えんなって、いろんな奴に抱かれまくるくらいなら」

「…はあ？好きでやってんねけど」

徐々に迫ってくる巨体に、後退りしながら目線を右往左往させる。

盛「怖いなら怖いって、寂しいなら寂しいって俺らに言えや」

「…わけわからん」

盛「劇場行くのも、俺らの顔見んのも、思い出すんが怖いからって、そう言えばええやろ」

「……っ」

盛「怖いねやったら怖いって言えばええやろ、いくらでも」

リ「……もりし、そんくらいで」

今度はAが下唇噛んどる。

目が潤んどるんなんか見やんでもわかる。

リ「俺らも怖かったんよ、だから来れんかった。」

「……」

リ「俺らで怖かってんから、Aはもっと怖かったよな」

俺の言葉を聞いて、「だぁっ！」と声を上げながらわしゃわしゃと長髪をかきむしる相方。

盛「…もっとはよ顔見に来たらよかった、ごめんなA」

リ「うん、ごめんな、俺らが悪いわ」

次は目の前で震える頭を、がしがしと撫でる。

「〜〜っ」

盛「うぉっ！」

「…デカ図体ぼけぶっとばすぞ」

盛「えーこわ、なにこの子」

ボスっと音がしたかと思うと、もりしに抱きついてまた声を震わせる。

盛「え、お前まじでカリッカリやん、こわ、折れそうや」

「…乳まだあるからだい「いやそれほんまわけわからんで？」

かぶされたツッコミに、ふふっと笑う声。

もりしは、「えーほんまに折ってまいそう…」と恐々抱きしめ返してる。

リ「はい、これなら食えるやろ」

「これおかゆ？リリー作った？」

盛「え？なに？人間界始めて？」

もりしの膝の間で三角座りをする彼女の目の前に、玉子粥を置くとなぜかカタコトで。

リ「だいぶ煮込んだから、胃もびっくりせんと思うけど」

盛「お前いつからまともなもん食うてへんねん」

「……わからん」

盛「こわ、、俺の食欲わけたろか？」

リ「ふーふーしたろうか？」

俺ともりし、ふたりからの提案に「いらんわ」の声を返し、スプーンで掬って一口。

「…うまあ」

ヘニャっと幸せそうに笑って。

うまいもの食った時の反応が、相変わらずで相方と目を合わせる。

盛「俺の買い出しのおかげやな」

リ「買いすぎやけどな」

盛「え、うせやん」