検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:74,627 hit

06 ページ26







盛「え、てことはなに?お前新人スタッフさんなん?」

「新人スタッフさんちゃう!新人スタッフ様って呼べ!」

盛「え、こわ。めっちゃらしからぬ新人おる」

水「なあ、ちょっと新人さん。僕の着替え手伝ってくれる?」

賢「水田くん、あんたいつも一人で着替えてるやないの」

リ「おい、新人。水買ってきてくれ」

「なんやこいつら!わし新人やぞ!敬え!崇めろ!」

賢「厄介な新人さんやわ〜」






そんなやりとりを、


温かい目で微笑みながら見てる既存スタッフ、


そして劇場メンバーたち。





そう、これ。この空気。

ここ最近ずっと、なんか足りんと思ってた空気。


俺が、守りたかった空気。




Aが芸人じゃなくなったら、

もう2度と叶わんと思ってた。




むしろ、俺の長年の懸念点さえ消してくれとる。


最高の打開策。

俺は、吉本に骨を埋める。


ありがとう、吉本。一生ついていきます。







「リリー、、」


清々しい気持ちで浸ってたら、そばにきていて


リ「なに?新人スタッフさん」

「、、言えんくてごめん」



そんな反省した顔して言われたら、何も言えんわ。



リ「ええよ、俺も色々気付けたから」

「色々?」

リ「芸人やなくても、Aがおってくれるだけでええんやな、って」

「えぇーなに。めっちゃ好きやん、私のこと」

リ「そんなん今更やろ」

「そやったな」





目を合わせて、ふふっと笑う。

またこうやってここで、笑い合えるのが心底嬉しい。



リ「あ、そうそう」

「んー?」



懸念点を1つだけ、確認させてもらう。




リ「Aって、絶対芸人とヤ らんかったやん」

「おお、なんや急に」

リ「あれって結局『同じ仕事の人とはヤ らん』っことよな」

「そう!ヤリ マンなりのポリシーやから!」

リ「ふーん、じゃあ楽しみにしといて」

「なにを?」



眉間に皺寄せて、訝しげにこっちを見てくる。






リ「俺、芸人」

「うん、知ってる」

リ「Aは?」




自分とAを交互に指差し確認。




「スタッフ、、、、うわっほんまや!だるっ!」

リ「ふはっ!ほんまやもおかしいけどな」







自分のポリシーを貫いていた彼女は鉄壁で、

何度も何度も果敢に挑戦しては、散ってきた。



『芸人やから無理』



なんて、死ぬほど聞いた常套句。

もう使えんからな?

01 新人。→←05



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
264人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。