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盛「なー、、気持ちはわかるけどやなあ、、」
リ「、、今俺閉店ガラガラ中」
盛「、、なんで岡田さんやねん」
あまりにも無気力な俺に対しての苦言。
何度目かわからないそれに適当に返したら、
「もうちょいシャンとしよや、、」なんて言うくせに
放っておいてくれる、ほんま優しい奴。
Aの部屋に行き、辞めるって話を聞いた日。
劇場に立ちながらも、どうやったら引き止めれるかをひたすら考えてた。
楽屋に戻ってきたらLINEがきてて、
Aお上から呼ばれたー
退職の書類書いてくるわ
ごめんな
ありがとう
絵文字も何もない、あいつらしいLINEやのに
なぜかわからない哀愁を感じてしまう。
あーもう無理なんか、これからどうなるんやろ、
と思っても、
あいつがおらん劇場に慣れれる気がしない。
事実、その日から数日、
Aの相方が倒れてから4ヶ月、
劇場の空気が、ずっとなんか違う
、、気がする。
俺だけなんかな、こんな未練たらしいの。
賢「リリー、ちょっといい?」
リ「賢志郎さん、、おつかれさまです」
賢「うん、おつかれ」
ちょいちょい、と手招きされて楽屋の外へ。
賢「、、Aのことなんやけど」
リ「あー、、はい」
賢「…辞めたってほんまなん?ゆずるに聞いてんけど」
リ「、、らしいす」
賢「、、、そうかあ」
ため息ついて、目線を上に向けるだけでも様になっとる。
なんでそんな余裕なん、って思ってしまう自分。
それが無性にムッとして。
リ「、、賢志郎さんは…Aが芸人辞めても平気すか」
賢「、、そら平気なわけやないけどなあ」
リ「めっちゃ平気そうすけどね」
賢「なんやえらい突っかかるやん、どないしたん」
困ったように笑われると、
自分があまりにも子どものようで、
恥ずかしさと苛立ちが増す。
リ「前の時も、、焦らんでええでとか言っとったやないすか」
賢「まあそら言うやろ」
リ「、、俺はAとまだ芸人やりたかったんすよ」
賢「そんなん俺もやで。でもなあ、、」
リ「でもなんすか」
賢「それより俺は…Aが辛い顔するん見る方が嫌やからなあ」
リ「、、、」
「そんなん俺やって」と言いたかったのに出てこなくて。
俺は、何回泣かせたんやろ。
戻ってこいって期待かけて、何回無理をさせたんやろう。
自分が情けなくて、言葉も出んかった。
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作者名:よいちょちょちょ丸。 | 作成日時:2022年2月24日 10時