げいひめ。 (ページ30)

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＊

「、、なんちゅう返事や」

仕事終わり。開いたLINEには下品な返信。

いつも通りすぎて笑ってしまう。

ほんでちょっとは警戒してよ。

なんか悩みながら文面考えた自分がアホらしいわ。

「、、あんな牽制されたけど、どうやろなあ」

自分が明日行動しようとしていることを考えると

どうしてもAの近くにいる

"手の早い忠犬"のことが浮かんでしまう。

「あんなに敵対されたら、逆にやる気なってまうけどなあ」

まだまだ若いなあ、、なんて呟いて

仕事終わりのビールと一服を嗜む。

距離が遠いから、

その分早めに動かせてもらうわ。

近くにおるからって、

長いこと待ってれる若いのと一緒にせんといて。

なんて考えてる自分。

「、、俺も十分余裕ないなあ」

リリリリリリリリ

ホテル独特の呼び鈴が鳴り、

「はいはい」と言いながらドアを開く。

「こんばんわーマンゲキからきましたAですっ！」

「、、ふふ」

「120分コース、即尺即入でお間違いないですか？」

「、、何をアホなこと言うてんの」

「あ、チェンジします？」

「せえへんよ、はよ入り」

「失礼しまーす！」

ご希望のデリヘルごっこができて、満足そう。

「初っ端からテンション高すぎてわろてもうたわ」

「やっぱり第一印象が次の指名に関わるんで」

「そんなんせんでも、Aしか指名せんよ」

「よっしゃ、太客ゲットや」

「誰が太客や」

ふふ、と嬉しそうに笑う。

あー、、ほんまその顔が、好きなんよ。

「けんしろさんからホテルの誘いはまじ濡れたっす！」

「言い方悪いなあ、ほんま」

「最近ヤリマンとしての自信失ってたんで頑張ります！」

「ほんまにいらん自信やわあ」

「えー、顔と体と名器が売りやのに」

、、雰囲気もなにもあったもんやない。

怒涛の軽いノリと下ネタ。

全然こっちの空気に持っていかしてくれへん。

ほんまこの子は、、。

「お酒、買ってきてあるから好きなん飲んでな」

「うわ、サッポロある！あつ！」

あー、いややなあ。

こんな時でさえ一番身近な"忠犬"の好きな銘柄を選ぶから。

その姿がチラつく。

そんな風に余裕のない自分が、さらにむかつく。