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Section3 ページ4

今回の任務は防衛任務

近界民が出れば倒す。簡単な任務だ

現着するとすぐに目の前にはモールモッドが2体現れる

影浦から好きにしていい、と言われている

片手でトリオンキューブを生成し、モールモッドに視線を向ける




「通常弾」




トリオンキューブは割れ、一つ一つが光の筋となってモールモッドに突き刺さる

目の前のモールモッドを一瞬で屍に変え、少し上げた手を下す

影浦らと合流しようと踵を返すと同時に、真後ろに門が開いた

振り返ると中から無数の近界民が現れる

一つも表情を変える事なく、もう一度トリオンキューブを生成する


この程度では、怖気付かない

私は知っている

これより恐ろしい恐怖を


数分もしない内にそこは屍の山と化した

頬に掠った傷からトリオンが漏れる

少しその場で惚けていると内線が入り、任務終了を告げられた

本部に戻っていると次に任務が入っている隊とすれ違った

すれ違いざまにぺこりと頭を下げられ、旭野も頭を下げてそのまま本部に帰る

作戦室に戻ると既に帰還していた影浦がソファで眠っていた




「あ、Aちゃんおかえりー」


「うん」




換装を解き、影浦の代わりに書類をまとめて作戦室を出る

めんどくさいと言い放って置かれている書類に目を通しながら歩いていると曲がり角で誰かと衝突した

ゆっくりと書類から目線を外し上を向くとそこには不機嫌な顔をした荒船が立っていた




「書類見ながら歩いてんなよ」


「うん」


「つかそれ、この前の隊長会議の奴だろ」


「うん」


「カゲの奴また読んでねえのか」


「うん」




何を言っても同じ反応しかしない旭野に大きく溜息を吐き、お前も大変だなと笑って去って行く

その背中を見送ってまた足を進めた


あの時から、私の中からあらゆる感情が消えた

喜び、悲しみ、怒り___

感情が湧き出てこなくなってしまった

ランク戦に勝っても、負けても、仲間が傷つけられても

何も感じなくなってしまった

あの日、4年前の、雨が降り注ぎ、瓦礫に包まれたあの場所、

雨の匂いに混じって、土埃と血の匂いが鼻を刺した

私は全てを失った

父も母も、兄弟も、全て

近界民に奪われてしまった

その時からだ、私の中の感情が、全て無くなったのは

深く刻み込まれた傷が、全て塞ぎ込ませてしまった

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- 伊紗さん» 伊紗さんもですか…! 季節の変わり目で体調崩す人も少なくないので、気をつけたいですね…(^^;; (2015年10月4日 12時) (レス) id: d01b0ff04d (このIDを非表示/違反報告)
伊紗(プロフ) - 燕さん» 実はこの前体育祭の時に軽い熱中症になってしまいました…;;;;ですが、もう完治していてだらだらと過ごしています← (2015年10月3日 17時) (レス) id: 5bf8caec02 (このIDを非表示/違反報告)
- 昨日、珍しく熱を出してしまって… 伊紗さんはお元気ですか? (2015年10月1日 9時) (レス) id: d01b0ff04d (このIDを非表示/違反報告)
伊紗(プロフ) - 燕さん» 燕さんお久しぶりですー!お元気になさっていましたか…! (2015年9月26日 21時) (レス) id: 5bf8caec02 (このIDを非表示/違反報告)
- 伊紗さんお久しぶりです! (2015年9月26日 11時) (レス) id: d01b0ff04d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊紗 | 作成日時:2015年9月25日 21時

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