第40話 ハプニング【*LA編】 ページ44
ここは、どこだろう。
さっきまで私、どこに居たっけ。
考える頭が痛い。身体の色々なところも痛む。
『っ、いッ』
そうっと動かした足が、激しく痛んだ。
布団をめくって状況を確認しようとすると、突然隣から声が聞こえる。
「Aちゃん！！！」
『ん、ンダホくん…わっ』
思いがけず抱きしめられて、バランスを崩してしまった。
「よかったぁ…Aちゃんに何かあったらどうしようかと…」
ちょっと目が潤んでいて、本気で心配されているのだとわかる。
そうだ、私。階段からーーー
「ねぇシルク！モトキ！Aちゃん起きた！」
ひょこっとシルクくんの顔が覗いて、その顔は見る見るうちにくしゃっと歪んだ。今にも泣きそうな、そんな顔。
「ッ…ごめん、マジで」
『シルクくん…。』
悪いのは誰でもない。
大丈夫、と言いかけると、暖かい何かが私を抱きしめた。
『モトキくん…？』
「よかった…起きなかったらどうしようかと」
「俺、もっとちゃんと見とけはよかった…」
頬を撫でて、ごめん、ごめんと繰り返す彼に黙って抱きしめられていた。
『私は大丈夫、ひどい怪我とかしてないから』
「嘘」
『…え？』
「右足見せてごらん」
打ち身や擦り傷などがある。どれもそこそこ酷くて、見せるのを躊躇ってしまった。
「消毒しよ、そしたらそんな酷くならないから」
慣れた手つきで手あとをしていくモトキくんは、少し辛そうな顔をしていた。
きっと、自分を責めてるのだ。
『…私、もう大丈夫だよ。続きの動画撮ろう』
包帯をまく手を止めて、ほんとう？と言いたげ
に首を傾げたけれど、そのうち信じてくれて。
私達は無事、動画を再開することにした。
「何もなくて、本当によかった」
『ありがとうね』
「次は気をつけなね」
うんと返事をすると、にこにこと笑った。
第41話 となりにいると【*LA編 完結】→←第39話 あの時、【*LA編】
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みぞれ - 頑張ってください！この作品好きですっ！ (2017年3月27日 7時) (
レス) id: 931096523e (このIDを非表示/違反報告)
有乃(あの)(プロフ) - 雪桜さん» ありがとうございます、とっても嬉しいです！これからも精進します！ (2017年3月24日 1時) (レス) id: c4fc46a459 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - ええとこれ好きです頑張ってください (2017年3月21日 21時) (レス) id: bd91b60462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有乃(あの) | 作成日時：2017年3月5日 2時
