第33話 ぼくらと一緒に ページ37
「なぁなぁー」
にやにやと笑って、シルクくんがこちらを見ていた。
何かいい事あったのかな。
「なんだよニヤニヤして」
『どうしたの？』
マサイくんも怪訝そうに尋ねる。
「今日は俺らとスポーツ出来るよ、A」
『…へっ？』
なんだろう、ボーリングとかなんだろうか。
「Aってスポーツウェア持ってたっけ」
『ううん、持ってない』
「じゃあ動きやすいTシャツとかでいいよ、運動着で。五時にメンバー集めて家出るぞ」
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*
「どうも、フィッシャーズのシルクです！」
「ぺけ〜」
「ンダホ！」
「モトキ」
『Aです』
連れてこられたのは体育館。
久しぶりに見るなあ、学生の時以来。
「はい！ということで今回はですねー」
「フィッシャーズ、車椅子バスケ対決〜！いぇーい」
思わずぺけくんと顔を見合わせた。
車椅子バスケ自体は知っているけれど、
どちらにせよ運動に縁はないや、と諦めていたものだった。
「ーーっていう感じで、今回はフィッシャーズルールで進めていきます。難しいルールはなし！」
「この日のために僕はですね、車椅子バスケ習ってきました！」
「なんで、１からメンバーに教えて、ある程度できるようになったら試合をします」
こっちに競技用の車椅子レンタルしたのあるから、と楽しそうに動画を回すシルクくん。
１から習ったんだ、これのために。
本当に凄い人なんだと再確認する。
『シルクくん』
「んぁ？」
『ありがとうね、凄く嬉しい。いっぱい楽しむから』
「どーいたしまして。これからはメンバーで車椅子バスケ出来たら、めっちゃ面白そうじゃん」
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*
ひたすら習って、試合をやってみたり。
休むことなく運動し続けて、もうクタクタだ。
「結構体力つかう…やべぇ死にそう」
「クソ楽しい…クソ楽しいけど喉乾いた…」
他のメンバーも同様に、疲れきっていた。
それにしたって、人と運動するのがこんなに楽しいと思っていなかった。
いつも我慢して、遠くから眺めて。
待っててねって言われるだけで、ずっと孤独感を感じていたから、余計。
『…体動かすのって、たのしい』
「だろ？これからも出来ること見つけてさ、皆でチャレンジしようぜ」
スポーツドリンクを投げてよこすと、シルクくんはそう言って笑った。
みんなと一緒に、楽しいこと。
今度は我慢しないで、一緒に笑うんだ。
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みぞれ - 頑張ってください！この作品好きですっ！ (2017年3月27日 7時) (
レス) id: 931096523e (このIDを非表示/違反報告)
有乃(あの)(プロフ) - 雪桜さん» ありがとうございます、とっても嬉しいです！これからも精進します！ (2017年3月24日 1時) (レス) id: c4fc46a459 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - ええとこれ好きです頑張ってください (2017年3月21日 21時) (レス) id: bd91b60462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有乃(あの) | 作成日時：2017年3月5日 2時
