第31話 恐怖 ページ35
いつもと変わらぬ夜道を歩いていた。
飲み会に誘われそうになって、頑張って断ってきた帰りだ。
一番大変な時期を終えたとはいえ、やっぱりクタクタに疲れてしまった身体を引きずって家の前へ。
「Aさんですよね！」
唐突に響いた声。
誰だ、知らない男女2人組。
ドアの前。
知り合い？いや、ご近所さん？待って、そもそもこんな人知らない。
『え、あ、はい…あの…』
彼らが携帯を構えた。気づいた時には、シャッター音とビデオ録画開始の効果音。
この人達、視聴者さんだ。
未だ にこにこ顔のままだから、悪意が無いのかと思えてしまう。
「いいの撮れた！ありがとうございます！」
『え、やっ、ちょっと待ってください…！』
消してくださいそれ、と迫ると、明らかに不服そうな顔をする。
それでも渋々従ってくれた彼らに、やめてくださいね、と一言添えて送り返した。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*
私の生活がおかしくなったのは、その翌日から。
帰ったら家の前に人がいたり、色んなところで待ち伏せられたり。
お母さん同伴の訪問、なんて言うのもあった。
流石にこれはおかしい、報告しようとシルクくんに電話をかけると、
すぐにメンバーが集合して相談に乗ってくれることになった。
「良くあるやつだな、それは」
般若一歩手前のような顔をしたシルクくんと、
眉間が潰れるんじゃないかってくらい険しい顔のマサイくん。
ンダホくんも珍しく早口で、怒ってる。
「Twitterで注意喚起するべきだね、まずは」
「写真とかは消されたんだろ？今のところ実害とかはないんだよな」
いろいろと質問攻めにあって、
とりあえず注意喚起して、それでも続くなら動画を出して、警察に届けを出すことにしようと決めた。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*
Twitterで注意喚起してから1週間。
一時期止んだかと思われたけれど、また人が訪ねて来るようになった。
特にひどいのがピンポンダッシュと盗撮。
おまけに、ドアに傷をつけられたり、落書きされたり。
他の動画投稿者さんもこんなことされてるのかな。私は耐えられない。
こんなこと思っちゃいけないって分かってる。
視聴者さんが怖い、なんて。
動画に出てる身として最低だ、わたし。
第32話 君の帰りを、→←第30話 いつか伝える、いつか繋がる
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みぞれ - 頑張ってください！この作品好きですっ！ (2017年3月27日 7時) (
レス) id: 931096523e (このIDを非表示/違反報告)
有乃(あの)(プロフ) - 雪桜さん» ありがとうございます、とっても嬉しいです！これからも精進します！ (2017年3月24日 1時) (レス) id: c4fc46a459 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - ええとこれ好きです頑張ってください (2017年3月21日 21時) (レス) id: bd91b60462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有乃(あの) | 作成日時：2017年3月5日 2時
