第29話 あなたと甘いひと粒と ページ33
ぐっ、と伸びをする。
もう時刻は三時を指している。 相変わらず、手元の卒論は気が遠くなる程の量だ。
明日は休みだからいいけれど、これで俗に言う三徹。身体は疲れきっていた。
『…頭痛い』
夜風でも浴びようか。ついでに、コンビニに行って、眠気覚ましのカフェオレでも買ってこよう。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*
夜の街には少し眩しいコンビニから出て、ぶらぶらと帰り道を歩いていた。
「あれ、なにしてんの」
『…モトキくんこそ』
「いやぁ、卒論が大変だからね。ちょっと息抜き」
『私も』
「お疲れ様。Aが夜更けに外歩いてるなんて、想像しなかったなあ」
くすくすと笑う。お父さんみたいだ、なんて。
『それじゃあ私が子供みたいじゃ…』
「ごめんごめん。でも気をつけなよ。この間みたいな事が起こるかもしれないし」
『うん、ありがと』
「いえいえ。…隈すごいねぇ」
『モトキくんも』
「あー…、やっぱり？そろそろ寝ないと」
『そうだね…帰って寝ようかな』
「じゃあ俺も帰ろ」
『じゃあね、また大学で』
「うん、また。…あ」
『なに？』
「これあげる。作業のお供に」
コンビニ袋から出てきたのはグミ。
モトキくんらしいなあなんて考えて、ありがたく受け取ることにした。
『モトキくんは要らないの？』
「沢山買ってるから大丈夫。じゃあまた」
手を振りあって、帰路についた。
あなたから貰った甘いグミ。
おかげで、疲れきっていたのが少しだけ楽になったような。
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みぞれ - 頑張ってください！この作品好きですっ！ (2017年3月27日 7時) (
レス) id: 931096523e (このIDを非表示/違反報告)
有乃(あの)(プロフ) - 雪桜さん» ありがとうございます、とっても嬉しいです！これからも精進します！ (2017年3月24日 1時) (レス) id: c4fc46a459 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - ええとこれ好きです頑張ってください (2017年3月21日 21時) (レス) id: bd91b60462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有乃(あの) | 作成日時：2017年3月5日 2時
