第25話 単純で、難しい ページ27
イヤホンを耳にぎゅっと入れる。
ギターのメロディーがお気に入りなその曲をかけて、1人物思いに耽った。
明日はお休みだし、ゆっくりしたいな。久々に料理でもーー
「…い、おい、A」
『わっ』
｢俺の話、聞いてる？｣
『…ごめんダーマくん、なあに？』
「スマブラ。やる？」
『やりたい』
ほい、と雑にコントローラーを渡すと、コーラを注ぎに席を立ってしまう。
対戦しようぜー、とざわざわし始めるみんなを眺めていると、モトキくんが横に座ってくれた。
「珍しいね、Aがスマブラ」
『たまにはやろうかなって』
「たまにはいいよねぇ。Aはゲーム得意？」
『ううん、全然。モトキくんはダーマくんに勝てるように頑張らなきゃだね』
「そうなんだよ、全然勝てないの」
談笑していると、ンダホくんの始めるよー、の一言で、みんなは画面の前へ移動していった。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*
慣れないゲームを沢山したせいで、ちょっと疲れてしまった。
飲み物をもらって、ソファーで休憩していると、携帯ゲームを始めたダーマくんもソファーにやって来る。
どちらも喋ることなく、他のメンバーが遊んでいるのを見ていた。
「モトキって、ほんとお前のこと好きだよな」
いきなり小声で発されたダーマくんの言葉に、コーラを吹き出しそうになる。
『っ？！』
「なに、気づいてなかったのかよ。マジで言ってる？」
『き、気付いて無かったっていうか…それ絶対勘違い…』
「いや、俺はそんなことないと思うけど。ま、お前がそういうなら勘違いなんじゃない？」
いつもみたいに意地悪そうに笑って、輪の中に戻っていく。
…絶対勘違いだ。
モトキくんは恋愛に興味あるタイプじゃないし、それっぽいことなんて全く言われなかったもん。
モトキくんと、ふと目があう。
にっこりと、微笑まれて。
絶対そんなことなんてない、って思っているのにドキドキしている私は、きっと単純すぎるんだ。
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みぞれ - 頑張ってください！この作品好きですっ！ (2017年3月27日 7時) (
レス) id: 931096523e (このIDを非表示/違反報告)
有乃(あの)(プロフ) - 雪桜さん» ありがとうございます、とっても嬉しいです！これからも精進します！ (2017年3月24日 1時) (レス) id: c4fc46a459 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - ええとこれ好きです頑張ってください (2017年3月21日 21時) (レス) id: bd91b60462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有乃(あの) | 作成日時：2017年3月5日 2時
