第22話 君のヒーロー ページ24
モトキside*
夜遅く。
もうちょっとだけ勉強してから寝よう、とノートをひらくと、ふいにケータイが鳴った。
「もしもし？」
『モ、モトキくん…』
「A。どしたの？」
『ずっと後ろに人がいて付いてきてて、っ視聴者さんかもしれないの、』
パニックになっているのが目に見えてわかった。
視聴者に見つかるのも初めてだし、当たり前だけど、人につけられたことなんてないだろうから。
「いま、どこにいる？」
『コンビニの近く…あの歩道橋のところ』
「多分マサイかシルクが近いから、二人に連絡するね。その人達、男の人？」
『うん。あと、ずっとiPhone構えてる。動画取られてるかも』
「とりあえずコンビニ入りな。俺もそっち行くから待ってて」
急いで電話を切って、2人にも電話をかける。
シルクは半分キレてて、マサイは割と気が動転してたけれど、まあ何とかしてくれるだろう。
俺も行かなきゃ、多分今頃ものすごく不安になってるだろうから。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*
コンビニの前につくと、もう既にAはシルクの家に上がっているらしかった。
出遅れたなあと思いつつ、シルクの家のドアを叩いた。
「よっす。連絡ありがとな、無事保護した」
「それはよかった」
リビングに目をやると、項垂れているA。
「家特定しようとしてたっぽい。怪我しない程度に追っ払ったわ」
「そっか」
多分怖かったんだろう、すごく。
「A」
『モトキく…』
「大丈夫？何もされてない？」
『…うん』
「俺に連絡くれてありがとう、無事でよかった」
『ごめんね』
「ううん、大丈夫」
まだ不安そうな彼女の頭を撫でた。
「最初に俺呼んでくれればよかったのに」
ちょっとだけすねたようにするシルクに、Aはごめんごめんと続ける。
『何したかあんまり覚えてないんだけど…モトキくんなら何とかしてくれるかなって』
「あら嬉しい」
『なんだかんだいって一番頼りにしてるかも、何かあったら助けてくれるから』
そりゃ、助けに行くよ。
…大切な人が、好きな人が危険にさらされていて、助けに行かない人なんていないから。
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みぞれ - 頑張ってください！この作品好きですっ！ (2017年3月27日 7時) (
レス) id: 931096523e (このIDを非表示/違反報告)
有乃(あの)(プロフ) - 雪桜さん» ありがとうございます、とっても嬉しいです！これからも精進します！ (2017年3月24日 1時) (レス) id: c4fc46a459 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - ええとこれ好きです頑張ってください (2017年3月21日 21時) (レス) id: bd91b60462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有乃(あの) | 作成日時：2017年3月5日 2時
