ちょっと不自由な君と、僕達とのお話。【Fischer's】

第17話 喧嘩 ページ19

シルクside*
「あー…お前ら、何してんの…？」

ここ、俺の家なんですけど。



目の前には言い争うモトキとA。

珍しい。マジで何があったんだ。



「やっぱり無理してるじゃん、もう帰りなって」

『無理なんかしてない』

「またこないだみたいにしんどいよ？」

『大丈夫』

「意地張ってもいいことないでしょ。帰ろ」

『…やだ』

「ヤダじゃないの。体調悪いでしょ？」

『悪くないっ』

…子供か。


でも多分Aは、もう迷惑かけたくない、と思ってるんだろうなあ。



モトキもモトキで、過保護過ぎるような気もするし。


どんなひどい喧嘩かと思えば、痴話喧嘩じゃないか、とほっと胸をなで下ろす。


近くで聞いてたンダホも、苦笑いしながら見守っている。


「なんか、可愛らしい喧嘩してるよねぇ二人共」

「だな、喧嘩するほど仲がいいってやつか」

「お互いがお互いの事考えすぎなんだよなあ」


見れば、お互い逆方向を向いてしまって。

完全に喧嘩中だ。



しょうがねぇなあ。


「へいおふたりさん。動画撮るぜ」


はいはい座った座ったー、と半ば強制的にスタート。

撮影が始まったら、二人共楽しそうにしていて。

結局仲いいよなあお前ら、なんて思って。

思わず笑みをこぼした。

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